2019年度 目路はるか教室
1Iコース
夢への一歩を踏み出そう!
平成3(1991)年卒業医療法人社団 稲垣耳鼻咽喉科医院
稲垣 康治 氏(いながき こうじ)
令和元年11月8日金曜日、建て替えたばかりの医院に1年生22名を迎え、目路はるか教室を開催しました。引率の山崎一郎先生は私が1年生の時の担任、部活(剣道部)の顧問でしたので、不思議な緊張感のもと講義は始まりました。「講義」と言っても、内容は私がこれまで経験したこと、普段考えていることなど、ありのまま生徒の皆さんに伝えようと試みました。
【講義前】
「夢への一歩を踏み出そう!」というテーマで希望者を募ったところ、事前に希望者から志望理由などのコメントが寄せられました。予想通り「将来医者になりたい」という意見がある一方で、「夢はまだわからない」という意見も多数ありました。
【第一部】これが私の生きる道〜医師編〜
第一部では、私の育ってきた環境や学んできたこと、医師として歩んできた道のりについてお話ししました。
私の人生の道標になった言葉に「人生の最も苦しい いやな つらい 損な場面を 真っ先に微笑みを以て 担当せよ」という、出身小学校(玉川学園)のモットーがあります。また「夢」(夕の点が一画多い)という、同じく玉川学園創立者、小原國芳先生が書かれた書が身近にあり、幼少期から常に「たくさん夢を持とう」というふうに刷り込まれてきました。このような土台があって、普通部入学後に学んだ「独立自尊」の精神や、普通部から大学まで一貫して慶応剣道部で学んだこと、大切にしてきた人との繋がりなどを融合させたところ、人生が大変豊かなものになりました。
また自分の中のルールとして「逃げないこと」と決めています。これは剣道から学んだところが大きく、このルールを決めたことで無駄な迷いがなくなりました。
医師になってからの人生も、置かれた環境の中で、常に目標や夢を追いかけて来ました。今もまだ、その途中にいます。
【第二部】これが私の生きる道〜建築家編〜
第二部は友人であり、当院の設計・施工を手掛けてくださった一級建築士の渋谷俊彦氏に、建築家の仕事についてお話ししていただきました。
私たちが考える建築家のイメージは建築の仕事の一部に過ぎず、関連する分野は多岐にわたります。当院の建設だけでも延べ1万人が関与してくださったそうです。少しでも建築に興味があれば、得意な分野がきっと見つかるはず。興味のあることに前向きに進んで欲しいというメッセージをいただきました。
【第三部】マインドマップ を作ろう!
「マインドマップ」という頭の中のイメージを図に落とし込む手法を用いると、私のこれまでの人生は医師の道を選んだことも含めて、全てが「人の為になること」に集約されることがわかりました。言い換えれば、私の夢は「人の為になること」であり、そこに辿り着くまでの過程に様々な目標や小さな夢がたくさんあって、人生が豊かに装飾されてきました。私の夢はまだ完結していません。これからも小さな夢を積み重ね、大きな夢に向かって楽しい人生を歩んでいきたいと思います。
生徒の皆さんには、夢の大小は問わず、一つでも多くの夢を持って欲しいと伝えた上で、マインドマップを作成してもらいました。まず紙の中央に「興味があること」と書くことからスタートし、部活やゲームなど、それぞれ思いつくままに頭の中のイメージを書き出してもらいました。「人を楽しませること」や「考えること」など、面白いキーワードがいくつも出てきました。マインドマップを作ったことで、これからの行動を具現化し、それぞれの目標や夢へ近づくきっかけをつかんでもらえたらうれしいです。
【最後に】
夢を持つこと、語ることは恥ずかしいことではありません。夢に向かって努力することで、また次の目標や夢が生まれて、人生がますます楽しくなってきます。普通部生の皆さんにはこれを機会に、是非夢への一歩を踏み出してもらいたいと思います。