2019年度 目路はるか教室

1Jコース

可能性と素直さを大切に

平成7(1995)年卒業オリック東京法律事務所・外国法共同事業

杉田 泰樹 氏(すぎた ひろき)

 数ある目路はるか教室のプログラムの中から、僕のプログラムを選んで来てくれた1年生の皆さん、どうもありがとう。模擬ビデオ会議や模擬交渉などの当日のプログラムを通して、僕がやっている国際取引法務というちょっと特殊な弁護士の世界を少しでも実感してもらえたとすれば、とても嬉しいです。今日は、当日皆さんに伝えたかった4つのことを、改めてお伝えできればと思い、筆を取りました。

1.好きなことはどんどん追求していこう!

 僕は、プロボノ(公益活動)の一環で続けている難民支援を通して強く思うようになりました。それは、僕も、皆さんも好きなことを追求できる、とっても贅沢な立場にいる、ということです。依頼者には目の前で肉親が殺されたり、自分もひどい拷問を受けたりして命からがら逃げてきたのに、日本では言葉も通じず、衣食住にも困りはて、やりたいことはあるけど今日を生き延びるので精一杯という人ばかりです。翻って僕らは、家族も元気で衣食住には困っていない、やりたいことができるんです!でも、中にはやりたいことが分からない、って人もいるよね。そんな人は次のことを心がけてみて下さい。

2.食わず嫌いはせず、とりあえずやってみよう!

 自分がやったことがない、新しいことをやってみることが億劫だったりすることは良くあります。でも、この「とりあえずやってみよう」という気持ちは、今のうちにクセにしてほしいと思ってます。なぜなら、人生は意外とそんな偶然から自分の好きなことや一生をかけてやることと出会ったりするものだからです。そして、若いときにそういうクセのない人はおじさんになっていくともっと億劫になっていってしまうからどんどん自分の可能性を狭めてしまいます。何を隠そう、僕も目路はるかの講師の打診を受けたときは、億劫な気持ちでした。でも、「とりあえずやってみよう」と取り組んでみたところ、さいごに書いたとおり、やってみて本当に良かったな、と思えました。

3.考えさえすれば、人生無駄なものはなにもない。

 一方で、実際にやってみたけど、やっぱりつまらなかったな、というのでも全然いいんです。でも、何でつまらないと思ったのかな、と自分を見つめてみたり、つまらないと思えるものをどうすれば面白くできるのか、ぜひ考えてみて下さい。また、そこで出会った、今まで会ったことのない種類の人と触れ合うことを通して、こういう考え方もあるんだな、という気付きは絶対あります。そんな気付きや人との出会いを大切にしてください。きっとどこかで、また君たちの人生とつながってきます。

4.英語は可能性を広げる、という意味ではきっと役に立つ!

 英語が苦手だったり好きではない、という人もいるかと思います。無理に好きになれ、とは言いませんが、英語は可能性を広げるツールです。例えば、好きなことをもっと調べたいとき、英語で調べ物ができれば、文献の数は何十倍にもなります。また、皆さんが社会人になるころには多くの外国人が会社の同僚であり、競争相手となります。そんなとき、英語ができないと外国人と同じプロジェクトに入れてもらえず、残った少ない日本語しか使わないプロジェクトを、多くの日本人同士で取り合うことになるかもしれません。最後に、英語を通じて世界中の人と友達になれます。仕事で海外出張をすることも多いですが、出張先や日本での再会は本当に楽しいです。

5.さいごに

 以上の4つには共通するテーマがあります。それはどれもが、「皆さんの可能性を広げること」なのです。皆さんは可能性のカタマリです。そして、当日の様子や文章を拝見して、皆さんが「素直さ」のカタマリであることも実感しました。皆さんと、その可能性と素直さとに出会えて、僕も刺激になりましたし、とっても楽しい時間を過ごせました。その素直さで可能性を磨いて、皆さんの中学生活が、これからの人生が、豊かで幸せなものとなることを祈っています!

 

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