2024年度 目路はるか教室
2024年度 目路はるか教室
3年全体講話
かまけず、おそれず、ながされず
1963(昭和38)年卒業元駐米大使
藤崎 一郎 氏(フジサキ イチロウ)

持ち時間の半分以内で以下を述べ、その後約30人くらいの生徒と質疑応答をしました。
「権威をおそれたり、すぐ感心して鵜呑みにしたりせず、自分の頭で考え直してみてください。周囲にながされず疑うことこそがインテリの条件です。
普通部生はトップレベルの進学校の生徒と同等の実力があります。違いは大学受験がないことです。だから目の前のテストや部活や休みの課題などにかまけがちです。それだけではもったいないです。大学進学時には学部を選ばなければならないので人生の方向性のかなりは中高生の間に決まります。自分が一度しかない人生で何をやりたいか早くから考えてください。普通部生にはそれができます。目路はるか教室はそのすばらしい機会です。たとえばここにおられる世話人の中には弁護士もテレビ会社の人も写真家もいます。(各世話人が壇上で自己紹介。)何人かでグループを作って職場を訪問して話を聞かせてもらえばいい。それらも踏まえて自分で目標をつくるのです。学校は一人一人の人生に責任は持てない。だから学校をあてにせず、自分で目標をつくるべきです。もし将来の希望がはっきりしていなければ、たとえば英検やTOEFLやTOEICなどを目標としてもいいでしょう。
どうしてか。これからの時代、諸君は世界で活躍することになります。必要なのは「国際力」です。それは世界のどこでも通用する専門を持ち、その上でコミュニケーション力を持つことです。それは、自分の意見をはっきり述べる力と国際的に伝えられる英語力です。英語こそ今や国際語です。これから逃げずに完全にモノにしてください。第二外国語はネットワーキングのためと割り切っていいでしょう。
英語のほかはコンピューターやAIにはしっかりついていって欲しい。国際政治や環境問題など今の状況を勉強することは面白いです。しかし長い目では、法律や経済など社会の基本的な仕組みや技術などいわば土台をしっかり勉強することの方が長持ちして効果的です。」
全員の感想文を読み私の意がよく伝わっており、普通部生のレベルはさすがと感心し、意を強くしました。