2024年度 目路はるか教室
1Bコース
まちづくりの魅力
株式会社鉃鋼ビルディング 代表取締役副社長/株式会社増岡組 代表取締役社長
増岡 聡一郎 氏 (マスオカ ソウイチロウ)

この度は貴重な機会を頂き、ご準備頂いた先生方や委員の皆さまに、心よりお礼申し上げます。また、このコースを選んでくれた普通部生諸君にも感謝しています。
当日、授業の前半は、会社の歴史や再開発後の鉃鋼ビルについてのビデオ上映の後、免振装置などのビル内施設を見学してもらい、後半はグループ形式の議論も含めて講義を進めました。講義では特に仕事を通じて気づき、大切にしている3つのプリンシプルについてお話ししました。
ひとつめは、大きな仕事に取り組むには相互の信頼関係が大切だということです。チームワークである以上、助けられることも失敗することもある。信頼関係を築き深めるための基本は、「ありがとう」と「ごめんなさい」で、それは一秒でも早いほうが良いということを、食べ終わった後放っておくとお皿にこびりついて しまうカレーライスにたとえてお話ししました。
ふたつめは、仕事で大切にしている理念についてです。「安全・安心・快適」から「ひと・まち・ときをつなぐ」、そして「誰もが輝きだす場所へ。」と、コンセプトが進化・深化していった経緯や、それが建物の設計(ハード)や運営(ソフト)にどの様に反映されているのかについて紹介しました。
そして最後に「万物は流転する」ということについて。自然環境や社会環境、人間同士の相互関係は変化し続けるということをお話ししました。前提条件が変わらなければ「失敗は成功のもと」でも、それが変わり続ける中では「成功体験こそが失敗のもと」になってしまう可能性があること。従ってイノベーションは永遠の課題だということをお伝えしました。
生徒諸君の自己紹介文には、「株式市場と不動産市場の相関性」や「海外事業に参加する意味」、「国際都市の共通点と相違点」についてなど高度な質問もあり、楽しみに読みつつ感想や助言を書かせてもらいました。少しでも、可能性に満ちた皆のこれからに役立てれば嬉しい限りです。