2021年度 目路はるか教室
1Jコース
テレビ、相撲、35歳の自分、生々しい話をしましょう。
2002(平成14)年卒業TBSテレビ 営業局関西支社
村井 諒 氏(むらい りょう)
この度は貴重な機会にお招き頂き、参加してくださった1年生24名の普通部生の皆さん、諸々のケアをしてくださった先生方・世話人の方々に厚く御礼申し上げます。
この講座では、私自身の人生を包み隠さず、酸いも甘いもすべて詳らかに生徒にお見せすることによって、生徒たちの将来を多少なり考えるきっかけにしてもらうことをテーマに、大きく4ブロックに分けてインタラクティブに授業を行いました。
1.経歴の紹介
幼少期から現在までの、自身に起こった象徴的な出来事を紹介しました。
・小さいころから体格が大きかった私は相撲に熱中し、それなりに良い成績を収めたこと。
・勉強面でも周りの友達の影響で頑張って取り組み、結果普通部に入学できたこと。
・ スポーツのトップ選手のマインドを世にもっと伝えたいという思いからテレビのスポーツ記者を志望し今の会社に入社したこと。
・現在はテレビ局の広告営業に従事していること。
2.私の人生の振り返って
実は合間で様々な失敗・後悔があったことを告白し、なぜそういうことが起こったのか、どう今に生きているか、私の考えを伝えました。
・各年代で様々な後悔をしてきたが、普通部時代にも大きな後悔があったこと。
・ 自分への過信・コミュニケーションの不足・責任感の欠如といったことが失敗のもとになっていることが多く、そういう時ほど後悔があるということ。
・「自分事化し、リーダーシップを発揮する」ことが最も大事であるということ。
3.普通部生に置き換えて
リーダーという漠然とした像を一旦定義づけし、生徒それぞれがいま何に対してコミットしていきたいかを発表する場を作りました。
・ リーダーシップはいわゆる「声の大きな人」「センスのある人」だけが発揮するわけではなく、それぞれの持ち場で、それぞれの個性にあった発揮の仕方があるということを説明。
・ 生徒の皆さんから「なりたいリーダー像」「そう考える理由」「そのために必要だと思うこと」を個人発表。
4.まとめ
生徒たちに3つのメッセージを送りました。
・「大いに失敗してください」
失敗は恥ずかしいことではないし、そこから沢山学べることがあるということ。
・「リーダーになってください」
自分事化できていると喜びは大きく、そうでないと失敗したときの後悔が殊更大きいこと。
・「よく学び、遊んでください」
普通部ならではの環境を思う存分活かすことが、将来社会のリーダーとなる上で大きな糧になること。
正直なところ、お話を頂いた際の所感としては、何か社会に残したものがあるわけでもない・塾に対して大きな貢献をしているわけでもない・コロナ禍の大阪住まいで日吉に行けないリスクもある…そんな人間によく依頼なんかしたもんだな、「どえらい無茶ぶりやな」と思いました(苦笑)。
ですが、授業で実際に普通部生と接し、追って感想文を読ませて頂いた中で、私自身としても気づきがありましたし、彼らにもなんらか感じて頂けたのかなというのが垣間見えたことから、ホッとするとともに感謝の念が去来しました。
特に授業中の個人発表については、さすがに中学一年生がこのわずかな時間で考える題目としては難しいかな…と思っていましたが、杞憂でした。各々が正面から向き合ってくれて、自己分析をしながら、全く異なるオリジナルのリーダー像を発表してくれました。これには本当に驚かされました。自分の中学時代と比べたら本当に立派だと思いましたし、改めて普通部という個性的な学び舎の強さを思い知った気がしました。
結びに、「半学半教」という言葉がありますが、私にとってこの教室はまさにそれを体感できた機会になりました。もし今回参加して頂いた普通部生に、今後何か私にできることがあれば協力させて頂く所存ですので、先生伝手でも結構、何でもおっしゃってください。
無限の可能性を、周りの友達とともにこの普通部時代に育み、ぜひ将来大きく羽ばたいてください!