2020年度 目路はるか教室

3Eコース

モータースポーツに触れてみよう!

1984(昭和59)年卒業株式会社 ドーラジャパン 代表取締役社長 / 慶應義塾体育会 自動車部監督

力石 尚武 氏(ちからいし なおたけ)

 この度は大変貴重な機会を頂戴しありがとうございました。

 世話人代表であり体育会の大先輩でもある奈良様から最初にお話しを頂いた時は、自分がこの様な大役を務められるとはとても思えませんでしたが、長い慶應生活の中で一番楽しかったのが普通部時代であり、少しでもその恩返しが出来るのであればと考えを改めお引き受けする事にしました。

 演題として真っ先に思い浮かんだのは、自分が仕事で長年関わって来た「カカオ」の産地やチョコレートが出来るまでの流れでしたが、先輩から自動車部監督としてぜひ若者に自動車の面白さを伝えて欲しいとのご依頼でしたので、免許を持たない中学生に伝えるのは難しい事を承知の上でその内容を詰めて行きました。

 当日は最初の1時間を普通部の教室での講義としました。

 以下のテーマに沿って、スライドと写真および動画を使いながら説明しました。

1.クルマ好きだった幼少〜普通部時代

2.「モータースポーツ漬け」の大学自動車部

3.クルマの「挙動」とは

4.フィジカルとメンタル

5.社会に出て活かせたこと

 内容としては3歳から全ての車種を覚え、普通部の通学カバンには常に自動車雑誌を紛れ込ませ、大学では体育会自動車部での競技に没頭して優勝する事の難しさと喜びを覚え、その経験が社会に出ても活きている、という自分の勝手な体験談を話している時間が長かった気がします。それだけでは教室にならないので、モータースポーツにおける車の重要な挙動やライン取り、更にはメンタルとフィジカルのバランスが重要である事などを理論を交えて話しました。

 続いて場所を日吉の自動車部練習場に移し、実際のレース車両に触れてもらいました。

 日本を代表するレーシングチームであるTom’s様にご協力を頂き、最前線で活躍するトヨタ86を2台並べ、改造点、チューニングや安全対策をプロのメカニックに説明して頂きました。その後、大学の現役部員の助手席で発進加速、ブレーキング、スラロームや定常円旋回など、レース車ならではのハードな挙動を体験してもらいました。

 ゲームでは味わえない音・匂い・縦横Gを感じ取ってもらえたのではないかと思います。

 私の時代に比べてスマートで大人しい普通部生に楽しんでもらえるか不安もありましたが、同乗した後はジェットコースターより速いと興奮してくれた生徒が多く安心しました。

 限られた時間の中で自分の経験がうまく伝えられたか自信はありませんが、感想文を読ませて頂いた限りでは印象に残ったキーワードはそれぞれ違った様ですので、何らかの「気づき」を残せたのではないかと期待しております。これを機にモータースポーツが身近になり、また、自分と同じく楽しい普通部生活を送ってもらえたら光栄です。

 準備から当日の授業まで大変お世話になりました先生方及び世話人の皆様に、この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました。

 以上

 

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