2018年度 目路はるか教室

3Eコース

ホスピタリティ すべての仕事に必要なもの〜

昭和60(1985)年卒業株式会社 ファインフードシステムズ

三宅 伸幸 氏(みやけ のぶゆき)

 総勢24名、開始時間前に全員集合完了!

 きっと麻布十番という街には初めて足を踏み入れる普通部生も多かろうと、少し早めに設定した集合時間さえもクリアしてくれました。

 さすが普通部生!

 事前にいただいた目路はるか教室に向けての心構えとあいさつ文に目を通すと皆さんの意気込みと、私自身が同じ年ごろだったころの記憶を大きく上回る真面目さに緊張しながら準備して迎えた当日でした。

 私は父が祖父から受け継いだ仕事を手伝う形で30歳を超えて現在の仕事に就きました。普通部時代の私には現在の自分の状況は実は全く想像できず、レストランの仕事の話など先輩から聞いてもとても興味をもって聞くことなどできなかったはずです。

 目路はるか教室で何を話し伝えるべきか?

 レストランの話自体よりも私たちの産業に必要な「ホスピタリティ」について広くお話しする方が10年以内に進路が決まる皆さんにとって有益であろうと考え準備しました。せっかくレストランの現場でお話をするので、私たちの料理をランチ代わりに振舞い、その後に講義を実施しました。全員がしっかりと普段より多く盛りつけたカレーをかき込み、更には大盛でおかわりする皆さんを見ておりましたので、これはその後に睡魔に襲われて寝てしまうのだろうと予想しました。しかし大きく外れ、皆さんしっかりと話に耳を傾けてくれたことに心から感謝申し上げたいです。

 その後の感想を読ませていただきましたが、ずいぶんと細かいところまで刻み込んでくれていて、また嬉しさがこみ上げてきたものです。

・仕事は全て人が人のためにするもの

・人と人との間に必要なことが「ホスピタリティ」なのだということ

・「ホスピタリティ」を意識して若いうちから磨きをかけるべきということ

・そして食事の場こそ「ホスピタリティ」が発揮され、磨かれるのだということ

・若いうちに少しの背伸びをした外食の経験を持つべきだということ

以上が私の話の骨子でした。

 皆さんは見事にその内容を捉えておられました。さすが普通部生!と、皆さんの感想文を読みながら手をたたいたことが何度もありました。途中で眠気覚ましにと織り込んでみた洋食のクイズをお話ししましたが、多くの皆さんの印象に残っていたのはヴィクトリア女王ともエドワード八世ともいわれるフィンガーボウルのエピソードのようでした。

 晩さん会に招かれたゲストが食事中に指を洗うフィンガーボウルの水を用途がわからぬまま飲み干してしまう。それを見て驚く客人たちをよそに、晩さん会のホストが同じように自分も飲み干す、という有名なエピソードです。

ここに感動と驚きを感じてくれた皆さん、私はこれを誇らしく思います。

「ホスピタリティ」の基本は心を開き、お互いが心を通わせあうこと。決して自分から一方通行の誰に対しても同じ行動ではなく、その時その時の相手を考え、相手と同じ方向を見て、喜びや感動を共有できるか?が大切です。

 そこには上記のエピソードのように相手が気付かずとも提供できることもあるのです。これは福澤先生が慶應義塾の目的で唱えておられる“気品の泉源”に繋がると私は信じます。塾に学び、気品の泉源となれる皆さんは、あの高級ホテルのリッツカールトンの心情である「紳士淑女にお仕えする私たちもまた紳士淑女である」ということを実践できますね。さあ、それでは高校生になったらレストランを自分で予約してみましょう!!予約時間を守り、遅れるときは連絡を。お店の人にどう接するか、覚えていますか?レストランの中では食事を共にする女性を第一に考え、お姫様のように接してあげて下さい!私もまだまだ完璧にはできていません…円卓の食事会に呼ばれたら、“BMW”を忘れずに!

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