2017年度 目路はるか教室

1Jコース

証券市場と証券会社の役割について

昭和63(1988)年卒業岩井コスモ証券 株式会社

笹川 貴生 氏(ささかわ たかお)

 参加者の皆さんには、弊社役員会議室にお越し頂き、株って何?という基本的な話から、何故株を売買するのか? 銀行預金と証券取引の違い、証券会社の役割や、証券取引所の役割についてお話をさせていただきました。また、東京証券取引所に場所を移し、テレビでおなじみ東証アローズを見学した後に、模擬売買に挑戦しました。模擬売買では、証券会社のディーラーを彷彿とさせるような雰囲気の中、1000万円の元手で200万円近い売買益を達成した生徒もいたのが印象的でした。今回の「目路はるか教室」に際しては、中学1年生にどの様に「証券会社」を説明したらいいのか? 自らを中学1年生に戻したうえでプレゼン内容の準備を行いました。どう説明したら分かってもらえるのか、難しい単語を使っていないかなど。自分と異なるレベルの人に物事を伝える難しさへの挑戦。この経験は、私にとっても非常に有意義な体験となりました。この機会を与えてくださった先輩・先生方に感謝です。

 講義では、資金調達の方法として、①銀行から借りる、②社債を発行する、③株を発行する3つの方法とメリット・デメリットについて説明し、荒川先生が「慶應食堂株式会社(架空)」を設立するというモデルケースを使って、何故株を発行するのか、株価の変化、そして株の売買について説明いたしました。実在する先生の名前を使って説明したことは、生徒の皆さんにとっては理解しやすかったようです。また、株式投資が何故大切なのか?については、少々難しい話になってしまいましたが、お金の価値は変化することや、リスクとリターンの関係、銀行預金と銀行の配当金の例をだして、株式投資のメリット・デメリットをご説明いたしました。また東証での模擬売買を前に、日本古来の取引格言「酒田五法」を解説し模擬売買に備えました。投資のコツとして、長期運用・積立投資・分散投資が何故重要なのか、実際のケースを用いて説明したあと、「複利」すなわち「お金がお金を生む」ということを説明した時は、生徒の目の色が変わっていた気がします。

 模擬売買では、「キタハマ自動車きてるきてる!」「利上げだって!」などと個別の銘柄の値動きやマーケット情報に反応し、盛んに声を出しながら興奮状態であっという間の30分間。将来は是非証券会社に!と思わせるような稼ぎっぷりでした。

 東京コールセンターの見学では、緊張感漂う職場の雰囲気に呑まれたのか、私の講義の時とは違った、神妙な態度でセンター長の話に耳を傾けていました。

 最後の質疑応答では、「有限会社と株式会社の違いは?」「社長って何するの?」「社長の給料はいくらですか?」などマニアックな質問から、子供らしいストレートな質問まで活発に質問いただきました。

 今、証券業界では、若年層の金融リテラシーの向上が課題となっています。今回の講義が少しでも生徒の皆さんの金融リテラシーの向上に役立ては幸いです。

 最後まで熱心に私の話を聞いてくれた生徒たちに感謝です。

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