2024年度 目路はるか教室
1Dコース
信用創造という魔法
株式会社三菱UFJ銀行 日本橋中央支店長
磯山 弘典 氏 (イソヤマ ヒロノリ)

金融教育の必要性を日頃より感じていましたし、社会に出て、大勢の普通部卒業生が幅広く活躍しているという事実をお届けしたいという想いもありましたので、目路はるか教室をお引き受けしました。このような貴重な機会を頂戴しましたこと、関係者の皆様に御礼申し上げます。
講義では、預金、融資、為替という銀行の三大業務を説明するとともに、その役割の重要性を知ってもらうことに主眼を置きました。実際に多額の札束を持ってもらい、勘定をしてもらいました。振込等の手続きを行う窓口の見学に加え、金融政策の決定や紙幣の発行(日銀券)を行う日本銀行についても、外見だけではありましたが、見学することができました。たくさんのことをお伝えしたかったのですが、その 中で特に強調したことは、実際に手に取って数えた現金が、「預金」として銀行に預けられるこ とから始まる信用創造の流れです。預金と融資が繰り返されることで、現金の10倍以上のマネーが経済へ循環していく仕組みこそが、「銀行は経済の血液」と呼ばれる所以であると説明しました。銀行の持つ重要な機能について、少しでも理解が深まったのであれば、大変嬉しいです。
最後に、リーダーシップについてお話しました。リーダーとは、集団をリードする人、進むべき方向を明らかにし、行動を起こす人。大切な「お金」を取り扱う仕事だからこそ、そこで働く者は、信頼・信用、責任を強く自覚し 気品高くあるべきです。国内外のあらゆる産業、企業、そして一人ひとりと金融の機能を通じて深く関わるなかで、銀行として、銀行員として、社会に役立つリーダーシップを発揮していきたい。普通部生も、体を鍛え、勉強に励みながら、たくさんの経験を積むことで、世の中に役立つリーダーシップを発揮できる人をめざしてほしいとメッセージを送りました。
拙い講義にも関わらず、熱心に耳を傾けていただき、ありがとうございました。