労作展

2022年度労作展 受賞作品

理科

アサガオの受粉における生存戦略

3年A.Y君

 僕は、三年間アサガオについて研究した。アサガオにこだわりがあったわけではない。僕は、小学生の時、労作展で理科の作品を見て、感銘を受け、労作展で理科をやろうと思ったのが始まりだ。インターネットであてもなく、理科に関することや、様々な研究を調べていたら、植物の花について疑問を持ち、そのことについて調べてみようと思った。実験に採用する花は、どの花でもよかったが、花がたくさん咲いて育てやすいアサガオにした。その後、実験して調べていくうちに、様々な疑問が沸き、三年間アサガオについて調べることになった。
 一年生では、デンプン量によるアサガオの開花への影響について研究し、開花のメカニズムについて調べた。オンライン授業が多かったため、実験が少なく、レポートをあまり書いていなかった。そのため、労作展でどのようにレポートを書けば良いか分からなかった。先生にレポートやポスターの書き方、労作展の進め方など聞いたりして、手探りの状態で作品を作った。一生懸命作品を作ったので、賞を期待していたが、取ることはできなかった。結果の確からしさを示すためにも、さらにたくさんの実験をするべきだと思った。
 二年生では、アサガオの花の気孔について研究した。花の気孔は、葉の気孔とは違い、水分量が多く、観察方法を確立するのにとても時間がかかった。花の気孔が観察できた時はとてもうれしかった。しかし、観察できてからがスタートだったので、そこから、たくさん実験をした。天候に恵まれなかったり、夜中や明け方に実験する必要があったりと、困難であったが、その甲斐あって、賞を受賞できた。
 三年生では、アサガオの受粉について研究した。二年間の経験を生かして、気象条件の影響、時期をずらして育てた予備のアサガオの用意など、リスクを意識したアサガオの育て方が出来た。受粉の研究であったため、結果が出るのに一週間以上かかるので、多く実験をするためには、並行して行う必要があり、苦労した。三年生でも賞を取れて、うれしかった。
 僕は三年連続で賞を取れていない。悔しいけれど、三年間、一生懸命に頑張って、やり切ったので、後悔はしていない。
 労作展は大変だった。しかし、考察して、実験、観察を繰り返す過程において、自分が考えた仮説を裏付けるような結果が出た時はうれしかった。三年間アサガオに関する研究をしてきて、植物を使う実験の大変さや面白さを実感できた。また、いつのまにか、アサガオに愛着が沸いていた。労作展で一つの作品を作り上げたことで、自信が生まれたと思う。労作展での経験を生かして、これからも自信を持って物事に取り組んでいきたい。