労作展

2021年度 受賞作品

保健体育科

戦術的に見る、東京五輪男子サッカー2020

3年K.E君

 僕は昨年に引き続きサッカーの戦術について分析することにした。 一年の時は苦手な美術にしてしまったため、 仕上げて提出するのが精一杯で自分らしい作品ではなかったと思う。 そこで、 二年時は自分が心から好きだと言えるサッカーについて、 その中でも自分の応援しているチームについての戦術分析を行った。 しかし、 自分の論文は賞を取っている立派な昨品と比べて、 かけた時間が圧倒的に少なく、 納得のいかない論文となってしまった。 労作展後の講評では担当の先生から
「来年やるのならば、 データの数を多くしてみては?」
とアドバイスを頂いた。 僕はしっかりその言葉をメモに残し、
「来年もサッカーについてやろう」
と決意した。
 コロナ禍ということもあり、 時間の余裕が生まれ、 以前よりも色々な国のサッカーを観るようになった。 時差の関係で真夜中や朝方に起きて、 海外の試合もたくさん観るようになった。 テクニックや勝敗はもちろんだが、 僕は戦術について特に興味を持った。
 新学期を迎えて間もなく、 「労作展計画表」 が配られた。 僕はサッカーについてやることは決めていたが、 詳細は何も決めていなかった。 そこで思いついたのが東京オリンピックの種目として行われるサッカーだった。 しかし、 その時点で東京オリンピックが行われるかどうか全くわからなかった。 毎日コロナウイルス感染者の人数が発表されては、 本当に今年の夏は東京でオリンピックが開催されるのだろうか、 と不安になった。 夏休みが近づくにつれて、 もしオリンピックが無くなった場合は何にしようかと真剣に考え始めていた。 計画表には 「オリンピック男子サッカーの計四十八試合分析する」 と思い切りの良いことを書いてしまったのだ。
 期末テストが終わる頃には、 どうにかオリンピックが無観客で開催されそうだと報道された。 そこで、 僕はやっと計画をスタートさせた。 まずは本戦を分析する前に各チームのチーム状況を確かめるために、 出場する十六チームの親善試合やオリンピック予選をフルタイムで分析した。 正直、 この作業が一番厳しかった。 一チームごとに分析したが、 誰一人知っている選手がいなかったりして、 九十分フルタイムで観るのがつらかったこともある。 その作業が終わると、 本戦の仮説を立て、 すぐさま分析作業へと移った。 予選などを見て、 まとめたスタイルをもとに本選三十二試合を観た。 どの作業も、 時間との戦いで時には朝方まで作業を行っていた日もあった。 全試合をまとめたレポートが出来上がったのは提出日の朝六時頃で、 空はうっすら明るくなっていた。 百枚にも及んだレポートのラスト一枚がプリンターから印刷されてきた時は、 今までの人生で一番の達成感だった。 これこそが労作なのか、 と自分でも思ってしまうほど、 夏休みほとんどの時間をかけた。 作業自体はとても楽しかったので、 個人的には
「賞が取れたらラッキーだなー」
くらいの感覚で提出をした。
 労作展当日、 僕は朝一番の係を務める予定だった。 友達と日吉駅の銀玉の前で待ち合わせをし、 教室へと向かった。 教室に入ると、 自分の作品に 「賞 保健体育科」 と札が付いていて、 心底驚き、 友達と一緒に喜んだ。 更に特別展示だということもわかり、 この夏の努力が報われたと感激した。 賞を頂いたことで、 たくさんの人に読んでもらえたことが素直に嬉しく、 自分の好きなことを思う存分研究できる労作展って良いものだな、 と三年間で初めて思うことができた。