2022年度 目路はるか教室

3Gコース

「いざ良く働き、いざ良く遊ぶ!」

岡田・今西・山本法律事務所 弁護士

岡田 尚人 氏 (オカダ ナオト)

 この度は目路はるか教室の講師という大変素晴らしい機会を頂戴し、心より感謝申し上げます。まだまだ自分は若い!と思っている手前、これまで自分の人生を振り返ることはなかったのですが、今回、授業内容を考えるにあたって、半ば強制的に自分の人生を振り返ることができ、私としてもとても良い経験となりました。
 事前に生徒たちから届いた自己紹介文には、私の野球部での経験に興味を持った生徒、弁護士という仕事に興味を持った生徒、経済学部出身の弁護士という経歴に興味を持った生徒、「一日弁護士体験」に興味を持った生徒など様々でした。このような皆さんの期待に応えられたかどうかわかりませんが、授業当日は、以下のような構成で話をしました。
  第1部 弁護士を目指すまでの話(普通部、塾高、大学時代)
  第2部 司法試験受験、弁護士について
  第3部 1日弁護士体験
  第4部 質問タイム
 第2部では、「正義って何だろう」という話をしました。「友人に100万円を貸したけど返ってこない。借りた人は仕事を失って、小さい子供を育てなければならないため、お金がなくなり、返したくても返せない。この場合の正義って何だと思う?」との問いに対し、生徒からは「借りたお金は返すのが正義」「やむを得ない事情で返せないので、払える限度で分割して返していくのが正義」など、興味深い意見が出ました。
 私からは、「正義とは、熟慮及び検討の結果として最善と思える考えである」とのソクラテスの言葉を紹介し、弁護士は、争いの当事者の一方の立場に立つが、どちらの立場にも正義が存在する可能性がある。そのために双方が主張を尽くして、できる限り正しい結論(正義)に近づけることも重要な役割の一つであると話をしました。
 第3部では、「一日弁護士体験」として、裁判官、検察官、弁護士役に分かれ、各グループから目撃者役、被告人役を一人二役で演じる私に対し尋問を行いました。その結果、裁判官グループが出した判決は「無罪」でしたが、どのグループも堂々と立派に尋問ができており、短い時間でしたが、少しは弁護士など法曹の仕事の雰囲気を感じて貰えたかと思います。
 私から普通部生のみんなに伝えたい言葉として「これからの人生では、自分の進む道を選択する場面は必ず出てくるが、どちらが正解で、どちらかが不正解、ということはない。どちらの道も、みんながその道で一生懸命頑張ることで正解にすることができる。」というような話をさせて貰いました。
 そんなこんなで、終わってみればあっという間の3時間、本当に楽しい時間となりました。後日皆さんから届いた心のこもった感想文、宝物にします。

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