2025年度 目路はるか教室
2025年度3Hコース
人生を主人公として生きよう
禅僧(曹洞宗)
亀野 元彰 氏 (カメノ モトアキ)

禅語に「冷暖自知」という言葉があります。水の冷暖は実際に触れてみないと解らないという教えです。今回目路はるか教室でご縁を頂いた生徒たちには「情報」を伝えるのではなく、実際に修行道場に足を踏み入れて「禅風」に触れてもらいたいという願いから、特別な許可を得て厳格な僧堂である曹洞宗大本山總持寺を会場に、講義と坐禅堂での坐禅修行を行いました。
爽やかな秋晴れの中、木々が色づき始めた境内で集合し、登録有形文化財の堂宇を含む修行道場内部の拝観からスタート。壮大な伽藍の荘厳さや、修行道場独特の張り詰めた静寂を感じながら講義会場に移動しました。
前半の講義では、スティーブジョブズと禅の関係をはじめ、国や人種を超えて実践されている坐禅の現状を、昨年企画運営をした「全世界同時坐禅イベント(世界に広がる禅道場をオンラインで繋ぎ一斉に坐禅を行った大本山總持寺の記念事業)」の映像を交えて紹介しました。
その後、私自身の生い立ちや「私はどんな人間で何が強みだろう?」という塾生時代の悩みに触れながら、禅修行の根幹である「自己を学ぶ事(己事究明)」をテーマにお話致しました。
己事究明とは、理想の自己を努力によって見出す事でなく、余計なこと(他人と比べる自分)を捨てきって、本来の自己に気づく事です。
他と比べる事のできない「本来の自己」に気づく具体的な行が坐禅である事。他人や世間の評価の為ではなく、「人生を主人公として生きる」という禅の生き方をお伝えしました。
後半は車座になって坐禅指導。その後坐禅堂に移動し15分程の坐禅体験。
坐禅終了後は全員が警策棒で肩を叩かれる体験を希望した為、静かな坐禅堂に「喝」の音が二十数発響き、全工程を終えました。
今回、目路はるか教室の講師という貴重なご縁を頂き大変光栄に存じます。末筆ながら先生方や世話人の皆様、真剣な眼差しで拙い話を聞いてくださった普通部生の皆様に衷心より感謝申し上げます。