2025年度 目路はるか教室

2025年度3Eコース

スポーツドクターは何をする医師なのか?

慶應義塾大学スポーツ医学研究センター 准教授
公益財団法人日本陸上競技連盟 医事委員会委員長

真鍋 知宏 氏 (マナベ トモヒロ)

 15年ほど前から日吉キャンパスにある施設で勤務していますので、登下校時の普通部生を目にする機会は多いです。しかし、普通部生と接する機会は限られており、私が医学部生時代に普通部生の家庭教師をしていた時が最後です。今回、目路はるか教室の講師を担当するにあたり、どのような話を普通部生に伝えるのかについて大いに悩みましたが、自分の歩んだ道をそのまま伝えた方が適切と考えて講義をしました。
 まず、普通部、塾高、医学部と学生時代に取り組んだ部活動や医師になる際に自分の専門として選択した循環器内科が取り扱う疾患を説明しました。その上で、内科の中で最も外科系に近い循環器内科の大変さとさまざまな魅力を伝えました。臨床医として活動していましたが、医学部生の時に所属した競走部の縁でスポーツドクター資格を取得したのを契機としてトップアスリートの診療に関わったり、日本陸上競技連盟医事委員会の活動に参加することになりました。その後、オリンピック、アジア大会などにチームドクターとして帯同しました。さらに、プロ野球の医事活動にも関わるようになり、2017年、2023年のWorld Baseball Classicにも誰もが知っている有名な選手達と一緒にチャーター機で帯同しました。2025年夏に国立競技場で開催された世界陸上において、準備段階では組織委員会の医事専門委員会委員長として、大会期間中はメディカルディレクターとして、医務活動全体を統括しました。
 座学の講義のみでは印象に残りづらいのと、当センターの特色を活かせないので、最後に最大酸素摂取量の測定の実習を行いました。事前に2人の被験者を選んでもらい、1人は自転車エルゴメーターを用いて、もう1人はトレッドミルを用いての測定を実施しました。
 普通部卒業後に塾高に進学した際、銀杏並木の坂で「ここで講義を受けたな」と感じながら、遅刻しないように駆け上がって欲しいです。