2025年度 目路はるか教室

2025年度3Cコース

紙・パルプが創るサステナブルな世界

王子ホールディングス株式会社 取締役専務執行役員 Chief Operating Officer

長谷部 明夫 氏 (ハセベ アキオ)

 日本国内での需要は減少していますが、紙は環境にやさしくサステナブルで、人の生活に欠かすことができない素材だということ知って頂きたく、また、海外での仕事に興味を持っている生徒もおられるようでしたので、自分の海外駐在生活で感じたこともお伝えしたく、目路はるか教室をお引き受けしました。少しでも普通部生の将来のために役立てば嬉しく思いますし、このような機会を設けて頂いた関係者の方々にこの場を借りて感謝申し上げます。
 授業では、まず、当社の創立者で大河ドラマや1万円札の肖像でおなじみの渋沢栄一翁、当社の社長を務め慶應義塾大学工学部の前身である藤原工業大学を創設した藤原銀次郎翁に触れ、先人が洋紙の生産や木材の重要性を訴えていたことを紹介しました。当社はその流れを受け継いで、現在では国内外に社有林(日本国内に18.8万ha≒大阪府の面積、海外を含めて63.5万ha≒東京都の面積の約3倍)を保有しており、紙そのものの需要は減少していますが、木材を由来とするサステナブルパッケージの開発(脱プラ紙化の推進)や木質バイオビジネスへの展開に力を入れていることを説明しました。
 次に、木材→パルプ→紙という紙ができるまでの工程を説明すると共に、パルプから紙を抄くことを体験してもらいました。また、紙にいろいろな工夫を施すことで「水に強い紙」「シール(密封)できる紙」「臭いが通らない紙」ができることを紹介し、紙に機能を持たせることで、従来のプラスチック素材を紙素材に変えていくことができることを知って頂くと共に、会場である当社研究所の一部を案内しました。
 最後に、マレーシアとインドに海外駐在したことで、新たな仲間や知識を得たこと、貴重な経験をすることができたことを話しました。社会人になって、想定外の異動や転勤があるかもしませんが、ネガティブなことばかり想像するのではなく、ポジティブに思い描いて挑戦して欲しいことを伝えました。