2025年度 目路はるか教室
2025年度2Jコース
君も未来のブラックジャック!? ロボット手術に挑戦!
慶應義塾大学医学部 外科学(一般・消化器) 専任講師
茂田 浩平 氏 (シゲタ コウヘイ)

私は現在、医学部の一般・消化器外科に所属し、大腸を専門とする外科医として臨床および研究に励んでおります。1994年に普通部に入学し、D組で3年間を過ごしました。卒業して早28年が経ちますが、この度、母校の後輩たちに私の仕事や慶應義塾での歩みについてお話しさせていただく機会を賜り、心から感謝申し上げます。思い返せば、普通部での日々は私の44年の人生の中でも最も密度が濃く、充実した時間でした。私たちの世代は3年間クラス替えがなく、気心の知れた仲間たちと毎週の理科レポートの課題に明け暮れ、部活や放課後をともに過ごしました。特に、あの頃に叩き込まれた理科の論理的思考のトレーニングは、現在の外科医・研究者としての私の礎として、今もなお息づいております。
「目路はるか教室」の講師依頼を受け、外科医として後輩に何を伝えるべきか熟考した結果、やはり「体験」に勝る財産はないとの結論に至りました。かつての自分を振り返ってみても、座学形式の講義よりも、実体験の方が鮮明に心に残ると考えたからです。そこで、手術用ロボットや器具を用意し、現在共に仕事をしている普通部出身の若手医師・医療職の後輩たち(2010年卒 川本潤一郎君、2012年卒 齋藤隆君・清水誠仁君、2015年卒 茗荷康平君)と協力して準備を進めてまいりました。
授業当日は、私が普通部2年時の担任でもあった荒井先生に見守られながら、24名の普通部2年生に参加していただきました。授業は2部構成で行い、第1部では普通部時代の思い出から外科医への道のり、昨今の医療技術の飛躍的な進歩や最新の外科治療について講義を行いました。続く第2部では実践編として、滅菌ガウンや手袋の装着法、糸結び、腹腔鏡キットを用いた縫合練習、さらには医療用ロボットを用いた手術操作までを実際に体験していただきました。
手術ロボットを扱うのは初めてであるにもかかわらず、瞬く間にコツをつかみ、我々外科医と同様のトレーニング課題をこなしていく彼らの姿に、普通部生の勘の良さとポテンシャルの高さを改めて実感いたしました。また、慣れない手技に悪戦苦闘しながらも、2時間集中を切らさず楽しそうに取り組む生徒たちを見て、この中から将来、医師や医療工学の道に興味を持ち、我々とともに医療を支えてくれる人材が育ってくれることを強く確信いたしました。
この度は、目路はるか教室の講師という大変貴重な機会をいただき、誠に光栄に存じます。この場をお借りして、先生方、世話人の皆様、そして当日サポートしてくれた後輩たちに改めて深く感謝申し上げます。