2025年度 目路はるか教室
2025年度2Iコース
「ニュースにだまされるな! 〜真実を見極める力〜」
フリーアナウンサー
青井 実 氏 (アオイ ミノル)

駅前の、改装工事中のファーストフード店を横目に久しぶりに歩いた普通部通りは、かつて毎日通った頃とは少しずつ姿を変えながらも、どこか懐かしさを残していました。増えたラーメン店・姿を消したコンビニ・変わらず佇む、あの書店――。
30年以上前の記憶を呼び起こしながら、その変化と連続性の中に、時間の流れを静かに感じました。校内へ進み、かつて担任だった池田先生が当時と変わらぬ優しい笑顔で迎えてくださり、一緒に教室へ足を踏み入れた瞬間、不思議と当時の感覚がよみがえってきました。同じ空間が、人生の別の地点に立った私を迎え入れてくれているようで、そのこと自体が一つの学びのようにも思えました。
今回の授業では、SNSや動画配信サービスが生活の中心にある現代において、フェイクニュースや切り取りなど、多様な情報が錯綜する中で“正しい情報を自ら見極める力”について、生徒の皆さんと一緒に考えました。
若い世代が、自分自身の判断基準を持ち、立ち止まり、確かめる姿勢を身につけることは、これまで以上に重要になっています。この授業が、その一歩を踏み出す契機となれば幸いです。
また、テレビやメディアが大きな転換期を迎える中で、生徒の皆さんから「テレビ、観ています!」と伝えてもらえたことは、テレビ業界の端っこを担う者として、大きな励みになりました。それが普通部生の“大人の”礼儀や優しさからの言葉であったとしても、その気遣いに触れられたことが、何より印象に残っています。
一方で、質疑応答の時間には、「給料はいくらですか?」という率直で飾らない質問も飛んできました。一瞬戸惑いながらも、変わらぬ普通部生らしさに思わず微笑んでしまいました。ありのままに向き合う姿勢は、教育の場が持つ力の一つだと改めて感じました。
今回、このような貴重な機会をいただいた先生方や世話人の皆様にこの場をお借りして深く感謝申し上げます。そして何より、手書きでびっしりと感想を書いてくれた生徒の皆さんに、心からありがとうを伝えたいと思います。