2024年度 目路はるか教室
3Cコース
音を出さない、クラシック音楽の仕事
公益社団法人日本演奏連盟 事務局長
荒井 宣之 氏 (アライ ノリユキ)

まず今回この機会をくださいました普通部、目路はるか委員会、また参加くださった生徒の皆様に感謝申し上げます。
当日は音楽室を会場とし、また途中でティンパニを叩いてもらったり一緒にリズム遊びをしたりする時間も取り、3時間があっという間の時間でした。
私は普通部入学時に音楽部に入り、そこで当時の普通部長であられた香山芳久先生と出会いました。香山先生には普通部での音楽部、フルートの会の活動を通じて卒業まで、実際には先生がお亡くなりになるまでまさに人生の師として大変多くのことを学ばせていただきました。音楽活動としては普通部音楽部3年生の途中から打楽器を担当していて、今なお社会人オーケストラで打楽器を演奏しています。
大学卒業後旅行会社に就職。海外からの旅行者受け入れ専門部署に配属され、新規営業として音楽事務所・在京オーケストラ・各ホールを回り、音楽インバウンド・演劇・映画関連の業務を担当しました。特に音楽インバウンドの業務では、通常の手配業務以外に、楽器運搬、また演奏者とスタッフが別の動きをすることなど、独特の手配や気を付けるべきところを学びました。大学1年時にオーケストラでのヨーロッパ演奏旅行に行き、その際に楽器手配や確認などを担当した経験が旅行会社の業務に直結しました。
コロナ禍を経て定年前に旅行会社を退職し、音楽業界に転職。
年間40公演を主催する立場になり、オーケストラや音楽事務所などとまた新たな形で業務をご一緒することに。現在の業務において、普通部時代からの経験、大学時代の演奏旅行の裏方、さらには旅行会社として海外からのオーケストラに同行していた知識・経験が役立っています。
普通部時代からの恩師・先輩に支えられ、今の自分があることを今になって痛感。人と人のつながりがどれだけの可能性を広げるのか。何をやりたいか、何を目標にその仕事に就くのか、今回のお話を少し思い出してもらえたらうれしいです。