2024年度 目路はるか教室
3Jコース
企画とは、未来への角度である
株式会社電通 プロジェクトディレクター/電通若者研究部 研究主幹
吉田 将英 氏 (ヨシダ マサヒデ)

この度は、「第27回目路はるか教室」の末席に加えていただき、大変光栄でした。私が普通部に入学した1998年、ちょうど1年生 の時に100周年を迎えたタイミングで始まった取り組みに、講師 側として関わることになるとは、人生とは面白いものです。
私が在校生の皆さんに伝えたかったことは3つ。
1つは、「やってみたいと思っていることは、やったほうがいい」ということ。講義の最初に「好きなこと・やりたいことを 100個書き出す」ことをしました。伝えたかったのは「自分のやりたいことを自分でわかっているということ」は、当たり前ではないということです。些細なことでも、無謀なことでも、「人が見たら笑うのでは」「無理だと諌められるのでは」という感情と切り離して、心に抱いておく。そして強かに、粛々と、今この瞬間に何か始めてみることが、未来に大きな違いをもたらします。
2つ目は、「自分をよく知る」ことの大切さ。「面倒臭い」「足りない」「怖い」の、行動を妨げる“三悪”の話をしました。自分がどういう時に、「やりたいことなのに、棚上げにしたり、後回しにしたりしてしまう」傾向にあるのか。どうしてそうなるのか。三悪のどれに特に弱いのか。どんな時に打破できたのか。それがわかっていると望みが叶う確度が上がります。
3つ目は、「やりたいことやなりたい自分に近づくための企て」こそ、企画であるということ。皆さんに「企画をする」ことを体感してもらうために、講義の最後に「卒業までの4ヶ月で人生 を望む方向に1度でも上向けるための企画」というお題を出しました。日々がわずかでも良い未来に向かうための企画。後日の感想の中には、実際にここで考えたことを実行し、人生の風景が少しだけ変わったという方もいたようで、嬉しく思います。
人生は企画の連続だと私は思います。皆さんの日々、そして未来が、いい企てによる、いい航路を描くことを心より祈っております。