2022年度 目路はるか教室

2Jコース

企業法務弁護士のメソッド

長島・大野・常松法律事務所 パートナー弁護士

渡邉 啓久 氏 (ワタナベ ヨシヒサ)

 企業法務弁護士は、やりがいのある仕事です。私は、不動産、インフラ、資源、金融取引を中心に執務をしていますが、日々感じるのは、企業法務弁護士は多くの人に頼られ、よい仕事をすれば存分に感謝される職業だということです。
 いま私は、これまで培った知識や経験を踏まえ、気候変動、生物多様性の保全、環境保護など、大きな社会的テーマに関連する法務問題に取り組んでいます。弁護士になって10年以上経ちましたが、日々の全てが学びです。
 私は、1998年の普通部入学以来、2009年に慶應義塾大学法科大学院を卒業するまでの12年間、慶應義塾で学びました。ですが、学生時代、一貫して弁護士になりたいと思っていたわけでは決してありません。法学部政治学科に入学した頃は、法律学科所属でない以上、弁護士の道などあり得ないと思っていました。しかし、法律学科に進んだ友人たちが司法試験の勉強をする姿をみて興味をもち、大学二年生の終わりに、当時の法律学科の池田真朗教授(現慶應義塾大学名誉教授)に志願してゼミに入れて頂き、手厚い御指導を頂いて、企業法務弁護士になることができました。
 自分の将来は自分で決めるもの、諦めるのも自分次第なのだなと、改めて感じます。若い普通部の学生の皆さんの前には、無限の選択肢があるはずです。どうか、皆さんはそのような恵まれた環境にいるということを忘れないでください。同時に、それは必ず、誰かの支えにより成り立っているはずです。感謝の思いを還元する方法もまた、無限だと思います。私自身は、たまたま、企業法務弁護士として依頼者の期待に応えつつ、同時に、僅かばかりでも環境や社会貢献に繋がる仕事に取り組むことで、たくさんの支えに応えることを選んだに過ぎません。結果として、毎日がやりがいに溢れる仕事を続けることができています。
 皆さんも、多くの諸先輩の話を聞き、大いに迷い、そして自分なりの将来を見つけて欲しいと切に願っています。

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