2022年度 目路はるか教室

1Aコース

『キリンのものづくりの魂』

株式会社 シーアイシー 顧問

高島 義彦 氏 (タカシマ ヨシヒコ)

 本年5月、塾蹴球部の後輩である三宅伸幸君から「折り入ってお願いしたい件あり」との事で、京橋のそば屋でランチを共にしました。その際に初めて『目路はるか教室』のことを知り、事もあろうに私に講師をせよとの事。過去の記録を拝見すると錚々たる方々が講師を努めておられ「何で私が?」と教室が終わった今でも不思議でなりません。
 とは言え後輩の頼み、そしてお世話になった普通部のためにお引き受けした次第です。
 三宅君からのアドバイスもあり私が36年間勤めたキリンビールの歴史の中で一貫して貫いてきた『ものづくりの魂』をメインテーマとしました。ただし、与えられた3時間はちょっと長すぎる事もあり、実際に工場見学をして頂き、少しでも臨場感ある教室としました。
 講義内容の構想を練るに当たり生徒諸君の自己紹介文を見せて頂き、私のこれまでの人生にも触れて学生時代から関わってきたラグビーの話もしてみたいと思い、第一部として『高島義彦の履歴書とラグビーの話』というタイトルで約1時間話をしました。1名ラグビー部員がいたので彼には申し訳なかったのですが度々指名しながら進めました。私の学生生活、勉強の事、ラグビーの思い出、社会人生活36年の振り返りに1時間を目一杯使いお伝えしました。
 第二部の工場見学は横浜工場のエスコートガイドツアーを利用して製造工程を見てもらいました。ビールの製造工程のクライマックスである缶・壜・樽詰め工程が定期点検で動いていなかったのが非常に残念でした。生徒諸君にはビールの試飲ができないので想定より早く終了して第3部に余裕をもって進むことができました。
 第3部はいよいよメインテーマの『キリンのものづくりの魂』になるわけですが、先に現在酒類メーカー各社が企業の社会的責任として取り組んでいる適正飲酒の布教活動の一環である未成年飲酒問題について話をしました。ビール酒造組合発行の中学生向けテキストを使い、やや駆け足でしたが何故未成年者の飲酒がいけないのか?勧められた時にどうやって断ればよいのか?等一緒に考えてみました。
 そして、次にキリンが長い歴史の中で大切にしてきた事や、途中で誤りを犯した事、現在その反省のもとに改めて「品質本位」「お客様本位」の精神に立ち返り、製・配・販が一丸となって目指す『キリンのものづくりの魂』の話をさせてもらいました。どこまで理解してもらえたかわかりませんが、ただ作って売るだけではなくキリンがその製品に込めた思いを感じてわかってもらえれば幸いです。
 大人相手の講話的な事は度々してきましたが、中学生相手は初めての経験なので「掴み」の部分が全く受けず調子が出ないままの3時間でしたが、私の拙い話をノートしてくれる生徒もいて何かしらメッセージが届いたのかなと思っています。
 最後に、この教室の開催にあたり度々相談に乗って頂いた普通部の池田先生、会場の用意や飲料を提供して頂いたキリンビール横浜工場の築谷副工場長、山本広報部長、濱野さん、テキストを提供して頂いたビール酒造組合の山岡審議役ほか関係各位に厚く御礼申し上げます。

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