2021年度 目路はるか教室

2Eコース

社会の変化を知ろう!

1983(昭和58) 年卒業塩野義製薬株式会社CRS 推進部長兼こどもの未来支援室長

田中 裕幸 氏(たなか ひろゆき)

 この度は「第24回目路はるか教室」において、講師という経験をさせて頂き、心から感謝申し上げます。

 皆さんからの自己紹介文を読ませて頂きながらテーマ内容を考えていると、自然と普通部生の頃の自分に想いを馳せ、とても懐かしくなりました。また、改めて自分自身とも向き合うことができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。本当にありがとうございました。

 今回のテーマは、社会で今、何が起きているのか、に興味を向けて欲しいとの想いから、「社会を知ろう!」とさせて頂きました。なぜなら、私達は一人で生きて行くことはできないからで、社会との関係性抜きでは生活が成り立たないことを、再認識して頂きたいと思ったからです。普段、なかなか意識することが少ないこの事実について、社会を少しでも垣間見てもらいながら気付き、現状を踏まえてこれからどうすべきか議論し考える時間にしてもらいたい、そんな想いから進めさせて頂きました。

 そして、これらのことを考える上で、大切な視点の一つがSDGsです。なんとなく聞いたことはあるでしょう。SDGsでは「持続可能な開発目標」として、地球上の誰一人として取り残されないことを誓っています。人口・エネルギー・気候変動・貧困・ゴミなどの様々な問題が増え続けている中で、経済成長・社会的包摂・環境保護の各要素を調和させながら、課題解決を図る必要性があることを明確にしています。

 また、解決に向けた取り組みにおいて、一人ひとりの活動と共に、企業の創造性に期待が寄せられていることも、忘れてはいけないことの1つです。今、企業の影響力はとても大きく、企業の持続的な成長を、環境・社会・企業統治の視点からサポートしていくべきというESGのような考え方も、とても大切な視点になってきています。

 このようなことを確認した上で、チームに分かれて話し合って頂きました。身近な問題から社会的な課題まで、様々な視点からの提案や解決に向けたアイデアが出されました。色々な考え方や提案に、私も大いに学ばせて頂きました。是非、今回気付いたことや関心を持ったテーマについて、今後さらに興味を持ち続けて欲しいですし、日々の生活にいかしていただけると大変嬉しく思います。

 これからの社会は、このSDGsあるいはESGという考え方をベースに、持続可能な社会を作りあげて行かなければなりません。そこで、これからの時代を生きていく皆さんには、以下のような点を意識して頂きたいと思っています。

 まずは、社会に対する問題意識を持ち続けて行きましょう。今、取り上げられているSDGsもあくまでも2030年までの話です。そこで終わりではありません。その先の未来は、皆さん一人ひとりが考え作って行かなければならないという自覚を持ち続けましょう。そして、その過程において、障壁はありません。これからの時代は、アイデア次第でいくらでも乗り越えられることを、是非、覚えておいて頂けると良いかと思います。

 また、常に学ぶことを意識し、自分の頭で考える習慣を持ちましょう。特に知識・情報を良く考察して、自分なりの考え方や意見を持つことが、とても大切ではないかと思います。

 その上で、自分の行動には責任を持ち続けましょう。一人ひとりの責任ある行動が、未来を創る大前提だと思います。また行動する際には、「情けは人のためならず」として、ことわざでも言われているように、常に利他の想いを持ち続けることも忘れずに。

 皆さん一人ひとりの自立したすばらしい人生を期待しています。

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