数学科
「三年間の成長」
3年H.I.君
三年間で、僕の労作展は大きく進化した。一年生の時には既にプログラミングに興味はあったものの、知識ゼロから作品を作り上げるのに高いハードルを感じ、できずに終わってしまった。しかし、機会があってプログラミング教室でプログラミングを学び始めて徐々に知識をつけていくと、二年生、三年生で作った二つのアクションゲームではそれぞれ賞を取ることができた。
実は三回の労作展の間に他にもアクションゲームを作っており、二年次の労作展前に作ったゲームがある。最初に作った作品で、Pythonのtkinterライブラリを使っていたのだが、あまりゲーム開発に向かないライブラリだったので最終的には処理がかなり重くなってしまった。
そのため、二年次の労作展ではよりゲーム開発に向いているpygameライブラリを使った作品作りに挑戦した。初めて使うライブラリだったので扱い方を覚えるのに時間がかかったり、ステージ生成の自動化や画像の回転などに苦労したりしたが、なんとか作り上げることができた。
三年次では、pygameを使ってよりステップアップしたものを作ろうと思ったが、最初はなかなか良いアイデアが思い浮かばなかった。埒が明かないので、一旦作り始めて思いついた要素を入れていくことにした。そうして少しずつゲームの要素やメニューの要素を増やしていく間、いくつもの困難に直面した。例えば、今回のゲームで初めて作った要素として、画像のアニメーションや、マス単位での移動処理、画面のスクロールがある。それまで作ってきたものとの共通点が少なく、かなり苦労した。ゲームの中核を担う要素でもあるため、他の処理に面倒な影響を与えないようにするのも考慮しなければならなかった。
制作日誌をまとめながらゲームの改良を進めていると、いつの間にか提出までわずか二日になっていた。しかしそのままだとゲーム内容が薄いと思っていたので、大急ぎでゲームモードを増やした。すると一気にコードが二五〇行ほど増えた。この日、実はこの大改良を行ったにも関わらず論文が全く書けていなかったので、常に焦りと不安でいっぱいだった。翌日はそわそわしながら始業式と短縮授業に臨み、帰宅したら前日の制作日誌を書き、また論文を全て一日で書き上げた。
こうして労作展の制作期間は終了したが、自分の中ではゲームの内容が何か足りないと思った。時間があれば追加するつもりで考えた要素はいくつかあったのだが、残念ながら組み込む余裕がなかった。作品搬入の日、今年は賞は貰えないかなと考えていたが、展示の準備後に遊んだクラスメイトからは好感触だったので、期待度は少し上がった。
労作展当日。朝一番に教室に入ると、題目の札に賞と書かれた紙がついているのを見つけた。二年連続で賞を取れて、また努力が認められて嬉しかった。その場で特別展示だと気づけず、気づいたのは作品搬出の日だった。持ち帰る気でいたので、賞の紙の裏に赤いペンマークを発見し驚いた。
三年間で、プログラミングの知識がゼロから特別展示に選ばれるまで、大きく成長できた。これも労作展あっての成長だと思うと共に、とても良い経験になった。審査をしていただいた先生方には感謝している。労作の経験は、必ず将来に役に立つものであると思うので、大事にしていきたい。