保健体育科
僕にとっての「ゴルフ」
2年Z.T.君
「ゴルフ」「中学生」と聞いて、しっくりくる人は少ないかもしれない。一般的に、ゴルフは、年輩の方しかやらないスポーツのイメージがあると思う。
僕がそんなゴルフと出会ったのは、四年前の春、コロナが猛威を振るっている時だった。この頃、僕はお父さんの仕事の関係で日本ではなく南半球のオーストラリア、パースに滞在していた。感染の拡大を防ぐため、パースではロックダウンという外出禁止命令が発令されていたので、僕は、本当に暇な日々を過ごす羽目に陥った。二ヶ月のロックダウンが解除されてもコンタクトスポーツはできないままだったので、それまで打ち込んでいたラグビーや水泳は禁止されてしまった。そこで、お父さんもたまにやっていた「ゴルフ」というスポーツをやってみることにしたのである。
スポーツをやっている以上、上手くなりたい。そんな気持ちが、労作展でゴルフをテーマにするモチベーションとなった。昨年、僕は、一流ゴルファーが目標とする「七二」というスコアを出すことを目標としてスイング、コースマネージメント、そして、メンタルの研究をした。その目標は今年も変わらなかったので、アプローチとパッティングの研究に夏を捧げることにした。
今年は、他人が取ったデータに基づき分析するのではなく、自ら取ったデータを使い、自分で使える分析結果が得られるようにしたいと思った。どんなデータを取れば有効な分析に結びつくのか、どのくらいの分量を取れば正確な分析結果が得られるのか、そんな聞いても答えが出ないような質問を繰り返していた。
しかし、その質問に答えが出ないまま、夏に突入し、ゴルフ特訓のために過去に滞在していたオーストラリア、パースに行った。ここで、この夏一番の危機が訪れた。そもそもどのようなデータを取るのかを明確にせずにいたこと、そして、ゴルフ場の改修工事によるデータ収集妨害の可能性を考慮しなかったことは大問題であった。データを大量に取るはずであったオーストラリアでの二週間は無駄に等しいものになってしまい、この時点では、本当に労作展を諦めようかと思うほどの絶望感を抱いていた。帰国後、お父さんの手伝いもあって、ラグビー部の練習がない日にジュニア強化選手として受け入れてもらっている千葉カントリーゴルフクラブに通った。そして、二百五十個ほどのチップショットを打ちそのデータを収録した。これに加え、ガーミンと呼ばれる弾道計測器を使って家の近くの練習場で三百五十ショット分のデータも収録した。計、六百ショット。もちろんデータは収集しておしまいではない。実践できる結果を出すためには分析が必要不可欠だ。この六百ショット分のデータを使ってボールのロール率を計算したり、ショットシェープを形成するデータ種目の相関性を調べたりして、実際にコースに出た時に役立つ分析結果を得ることができた。また、パッティングでは、ショットゲインシステムを利用して七ニのスコアと関連させて自分の実力を測った。
今年の夏は自分でデータを収集して、自分なりに結論を出すことができた。去年よりもエクセルの計算機能、グラフ作成機能などを使うことで、分析の精度が向上したと思う。分析が提出期限ギリギリまで続いてしまったことで、誤字脱字が増えたり、レイアウトの最終調整ができなかったりした。これは作品としての見栄えを悪くしてしまったので反省している。
来年も変わらずゴルフの研究をしようと思っている。今年の反省点を活かして、より計画的に作業を進め、作品の内容、完成度ともに向上させて、三年連続で賞を取れるように頑張りたい。