保健体育科
僕が向き合ったもの
1年T.A.君
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この夏、 僕がサーキットを走行した総周回数は700周以上。 距離にして730キロメートル。 これは東京から青森県までの直線距離に相当する。 今まではこの膨大な量のデータを父と母が分析し、 セットに反映していた。 しかし、 労作展のテーマを決め、 いざデータを分析しようとすると、 突然全ての走行データの処理がのしかかってくる。 僕は絶望した。 今までデータを扱ったことがない、 それどころかやり方も知らないのでゼロからデータロガーの分析方法を学ばないといけなかった。
昨年度の労作展は力作ぞろいでみな楽しそうな研究だった。 それを見て僕もやりたいと思った。 でも実際は違った。 現実は全く楽しくなかった。 絶望する場面もとても多かった。 ただテーマを決めた以上止まることはできない。 向き合ったデータから大量の使えないデータが発生したり、 思ったように検証が進まないことがほとんどだ。 自分の欲しいデータは簡単には見つからない。 バラつきのあるデータから理論的にベストなラインを導き出すにはいくつかの仮説を立てて、 コーナーでのタイムから計算で数値を出して検証しないといけない。 間違っているかもしれないがやるしかない。 そう思いながらこの作業に取りかかった。
このように、 苦労しながらもなんとかでき上がった作品なので、 賞を取れてよかったと思う。 今年度の労作展は、 一年目でサンプルを採取するのにどのくらいの時間が必要かや、 分析にはどのようなデータが必要なのかなどが分かった。 来年からは計画的かつ、 先生から頂いた問題点を改善していきたい。 この研究を行い、 実際にサーキット走行で走ってみて、 どのくらい正しいのかを証明したいと思った。 この実験を通して少しでも速く走れたらよいと考えている。
モータースポーツはものすごく時間と労力がかかる。 努力した分だけ報われるわけではないし、 ひどい時には結果が得られないこともある。 つらくてやめたいと思うこともたくさんあった。 でも、 他のドライバーと違い、 すぐに結果が得られなかった分だけ考え、 色々な人々にもらったアドバイスを頭に入れて走るくせを身につけた。 それは僕にとって今回の労作展にも影響している。 多くの人に支えてもらい、 長年続けているレーシングカートで受賞できたことは、 自分にとってとても良い経験になった。
労作展は苦労の分だけ様々なものが得られ、 結果につながることが分かった。 来年も、 この終わりのない研究を続けて、 より精度の高い研究を実践して、 二年連続受賞を目指していきたい。