労作展

2022年度労作展 受賞作品

英語科

英文小説 Shining the Dark

3年Y.S君

 僕は今年の労作展で、英語科で賞を取ることができた。僕は三年間かけて三部作の英文小説を作り、今年の作品でその物語を完結させた。一年生の時も賞を取ることができたので、今年で二つ目の賞となる。結果だけ聞くと僕は物事に全力で努力できる真面目な人に聞こえるかもしれないが、そんなことは全くない。課題はいつも提出ギリギリに始めるし、勉強もすぐサボってしまう。そんな僕がなぜ三年間も一つの作品を書き続け、賞を取ることができたのか、三年間の労作展を振り返っていこうと思う。
 一年生の時の労作展では、初めての労作展ということもあり、気合が入っていた。参考にできるものもなく、当時の僕にとって最高傑作と言えるような物語を書き上げた。しかし、それはあくまでも作品の話で、制作日誌はひどい出来だった。それでもまだ一年生だったおかげか、賞をもらえた。この経験が、次の年の労作展で響いてしまう。
 物語自体に関しては、一切手を抜いたつもりはない。しかし、制作日誌はというと、とても賞をもらえるようなものではなかった。一年生の時に賞を取って驕りがあったのか、一年生の時から大した変化もなく、その結果、賞を取り逃す要因になってしまった。この時の悔しさを胸に、僕は最後の労作展を迎えることとなる。
 三年生の時の労作展では、今年こそは賞を取りたいという気持ちや、満足いく形で三部作を終わらせたい、という気持ちでやる気がピークに達していた。物語自体だけでなく、昨年に足を引っ張っていた制作日誌にも力を入れ、三回の労作展の中で一番良い出来を目指して頑張っていた。その努力が実を結んだのか、見事賞を取ることができた。
 さて、ここまで僕が話していたのは年ごとの僕のやる気や心情だ。例えば、やる気があり気合が入っていた一、三年生時の労作展では賞を取ることができて、他の二年に比べてやる気が出なかった二年生時の労作展では賞を取ることができなかった。しかし、やる気は作品の質に作用していたのであって、やる気だけではこれほど長い時間作業をし続けることはできないだろう。では一体なぜ僕はこれほど努力できたのか、それは僕が英文小説を作るという作業自体を楽しく感じていたからだと思う。
 人が何かの作業をする時、時間が長くなると、最初にあったやる気も段々と薄れてきてしまう。長い間同じ作業や似た作業を続けると、いずれ飽きてくる。しかし、その作業を楽しみ、ただの「作業」だと思わなくなれば、やる気が無くなったり、飽きることもなくなる。僕は英語で作業することが好きで、楽しんで作品を作れていたからこそ、三年もの時間をかけて一つの物語を完成させることができた。つまり、労作展で賞を取るには、自分が楽しめる題材を選ばなくてはいけないのではないだろうか。
 人生の中で、つまらない作業だと感じてしまうようなことはたくさんある。労作展に限らず、それらのつまらないものも楽しめるようになれば、どんな作業でもこなせるようになると思う。僕は三年間の労作展で、作業を楽しむことの大切さについて学ぶことができた。僕もこれから、様々な出来事を楽しめるように頑張りたいと思う。