労作展

2021年度 受賞作品

英語科

英文和訳 George’s Secret Key to the Universe

3年O.M君

 中学受験で普通部に入学した僕は、 普通部に入ってから英語を本格的に学び始めた。 初めは基礎的な単語や文法の学習が中心だったが、 学習が進むにつれて、 簡単なものであれば英語で書かれた物語を楽しんで読むことができるようになった。 読める物語が増えてくると、 英語がさらに好きになり、 もっと英語を英文のまま自然にわかるようになりたい、 より長くより難しい物語を読みたいと思う様になった。
 そこで二年の労作展では、 自分の興味がある分野の英語の物語を翻訳することに決めた。 本の選定に際して、 内容を楽しんで取り組めるもの、 自分で調べながらなんとか理解できる難易度であること、 とは言っても英語圏の作家が書いた原書の小説であること、 締め切りまでにやり遂げられる文章量であることを条件にした。 実際に大きな書店の原書コーナーに何度か足を運んだが、 思いのほか本選びは難航した。 興味はあるが難しすぎたり文章量が多かったり、 逆に文章量がちょうどいいものは簡単すぎるものが多かった。 次々に本を手に取るうちに、 一冊の本に目が留まった。 その本が 『George’s Secret Key to the Universe』 で、 世界的な宇宙物理学者であるスティーブン・ホーキング博士とその娘ルーシーが英国の小学生向けに書いた冒険小説であった。 小中学生向けと言っても、 最新の宇宙物理学の内容が入っており難しすぎる可能性があったが、 主人公のジョージが物理学者のエリックと出会い、 宇宙の冒険に出かけるというストーリーがとても面白そうだった。 そして最大の難点は、 総語数五万語を超える正真正銘の原書小説であることだった。 迷いもあったが、 やはり読んでみたいという気持ちが勝ったので、 二年かけてでもやり遂げようという気持ちでこの本に決めた。
 第一訳は辞書を引きながら、 英語の文章を英語の語順のまま訳していくことを意識した。 原書の小説には、 一文がとても長いものも出てくるので、 英語の語順のまま理解するようにしないと、 意味がわかりづらくなり誤訳の原因になってしまうからである。 情景描写に難しい表現が多かったが、 よく見ると挿絵がとても詳しく描かれていて、 本文の理解の大きな助けになった。 それでもわからないところは、 両親に質問しながら、 少しずつ進めていった。
 第二訳では、 日本語の語順に直して、 意味が通るようにした。 それをPCに打ち込み、 第三訳でより自然で読みやすい日本語の文章になるように工夫した。
 本を選んでから八ケ月後の二年の労作展では、 結果的に前半三分の一を訳し終えることができ、 賞をいただくことができた。 とても難しかったがまだ三分の二が残っていること、 当初の目標であった英語を英文のまま楽しんで読むところまでは辿り着いていないことが課題であった。
 二年の労作展が終わって、 すぐに続きの作業を始めた。 これまでの二倍のペースで翻訳を進めることと、 普通部の日ごろの学業や部活を両立することは正直に言ってとても大変だった。 しかし、 流石に読むペースも上がり、 単語や文法の知識も増えていたので、 休日を中心にどんどん作業を進めた。 夏休みも多くの時間を翻訳に費やして、 ようやく九月の締め切りに間に合わせることができた。 その結果、 去年に引き続き今年も賞をいただくことができた。
 労作展を通して、 二十ヶ月という長い期間、 一冊の英語の小説と向き合うことで、 ただ英単語や文法の知識を得るだけでなく、 英語と日本語の表現方法の違いや英語圏と日本の文化の違いを学ぶことができたと思う。 当初の目標であった、 英語を英文のまま読むことは、 始めたころよりは段違いにできるようになったと思うが、 やればやるほどまだわからないことも出てくるということも分かった。 これからも労作展でやってきたことを続けて、 英語の物語を読むことを楽しんでいきたい。