労作展

2022年度労作展 受賞作品

技術家庭科

おかわり!の条件

3年K.K君

 僕は小さい頃から食べることが大好きで、毎日母か父が作るご飯を楽しみにしている。よく祖母が畑で採れた旬の野菜を送ってくれることも食べることが好きな理由だと思う。そして僕は労作展で作っている人があまりいない料理本を作ることにした。
 去年と一昨年は美術で作品を作った。長い夏休みの間一生懸命制作をして、少しワクワクしながら労作展当日の教室に入っていたが、賞がつくことはなかった。普通部に入学した後の目標の一つが労作展で賞を取ることだったこともあり、正直とても悔しかった。美術で作品を制作する人は例年たくさんいて、その中でも一際目に止まる作品を作ることばかりを考えていた。しかし、今年の労作展では、自分の好きなこと、興味のあることを一生懸命追求して一つの作品にし、労作展であまり見ない新しい分野の作品を作ろうと考えていたが結局美術で制作することにした。ところが労作展の計画書の提出ギリギリまで具体的に何をするか決められなかった。そして僕は今まで労作展で何度も見て作りたいと思っていたダンボールアートをすると決めた。しかし、夏休みが近づき、いざ制作に取り掛かろうとしてもどこかで「これでいいのかな?」と思ってしまい、なかなか取り掛かれなかった。そこで僕は自分の好きなことである食べることや料理に関連して料理本を作ることに変更しようと思った。本来はできないが、美術の先生に教科変更と作品変更をしたいと相談に行き、変更を許可していただいたが、もっとしっかりと考えて計画書を提出した方が良かったと後悔した。
 そして、料理本の制作を始めた。単なるレシピ本でも良かったが、僕はレシピだけでは物足りないと思い、何かを考察して本に加えようと考えた。特に料理指導を受けたわけでもなく、特別な料理器具や高級な食材を使っているわけでもない父と母が作るご飯を毎日とてもおいしく感じるのは技術や出来栄え以外の何かがあるのではないかと思い、本のタイトルを 「おかわり!の条件」 とし、考察することにした。また、レシピは普段父と母が作ってくれる料理を自分で作って書いた。たまに自分の気分で料理をするのは楽しいが、毎日家族全員分を作っている母の大変さが分かった。
 そして労作展当日、僕の作品には三年目にして初めて賞の札がついていた。そしてその札の裏には特別展示のマークがあり、僕はとても驚き、この夏の努力が報われた気がしてさらに嬉しさが増した。僕が作った料理本の表紙には作品を搬入した時にはなかった傷やシワなどができていたので、沢山の人が手に取ってくれたのだと思い、嬉しくなった。自分の好きなことに集中して思う存分できる労作展は良い行事だなと思った。