労作展

2022年度労作展 受賞作品

数学科

ペントミノの解をPythonを使って調べる

2年S.Y君

 僕が今通っている慶應義塾普通部に入りたいと思うようになったきっかけは労作展だった。そして、小学五年生の頃に労作展を見て、一つ入学したらやりたい事が出来た。それは、ゲーム作りである。僕は受験期間の頃にもゲームをしてしまった程好きで、それが作りたい理由の一つだった。この頃の労作展でゲームの作品を見てみると、ほとんどの物に「賞」というものはついていなかったが、「賞」の有無に関わらず、自分が思ういい作品を作りたいと思っていた。
 普通部に入学して一年生になり、最初の労作展が訪れた。そして、テーマを選ぶとき一つ思った事があった。僕はゲームをすることは好きだが、作ることは嫌いで向いていないのではないかと。だから、僕はゲーム作りの第一歩として、プログラミングに慣れるために数学的な事を、プログラムを作って調べることをテーマとした。そしてこのプログラミングが意外と自分の手になじみ、来年もゲーム作りではなく、プログラミングを使って何かを調べたいと思うようになった。そして一年生の労作展の課題として、制作日誌に苦手意識があってなかなかやる気が出ず、あまりうまく仕上げられなかった。だから二年生では制作日誌に時間を割こうと思った。
 そして二年生になり、まずはプログラミングのテーマとして、ペントミノについて調べることに決めた。そして、前回は論文中心の作品だったので今回はプログラミング中心の作品にすることにした。
 プログラムを作り始めて、最初に簡単なプログラムを作る時は、前年の経験を活かして難なく作ることが出来た。しかし、難しいプログラムも使う所で、どのように組めばいいのかなかなか理解できずかなり苦労した。そして悩んでいるうちにだんだんプログラミングの事が嫌いになってしまった。僕は受験期の頃にゲームをするほどサボり癖が強く、嫌いな事をすることになかなか気が向かない。だから、プログラミングの事が嫌いになるとあまり進まなくなってしまった。しかし労作展はやらなければならないので、僕は努力しようと決心した。難しい所からやるとまた気が重くなってしまうので、まずは簡単な所からやる事にした。すると以前の楽しかった感覚が戻り、以前よりもプログラミングの技術が上がった。そして出来なかったプログラムが出来るようになった。また、具体的な難しい所として、プログラミングには「if」というものがあるのだが、これが二十一個以上連続して並べると、エラーが起きてしまう。そこで、「def」という他の所にある自分で作るプログラムを作っているプログラムに持って行ける命令を使って、「if」を減らすなどの工夫をすることで解決することが出来た。その後も工夫しながら楽しくプログラムを作り、完成させることが出来た。プログラムを完成できた時の達成感は今でも忘れられない。
 プログラムを作った後は論文と制作日誌を書いた。論文ではプログラムの説明をプログラムの動き方の説明にすることを、制作日誌はメモのように使う事を、とそれぞれ工夫して何度も推敲して皆に伝わりやすい文章になったと思う。しかし、この二つに時間を取りすぎたせいか一部のプログラムが完成しなかったので、三年生では始める時期を早くして全体の時間をたくさん取りたい。
 労作展は、努力の大切さを自分に教えてくれた。努力は社会人になってからも必要であり、今のうちに身に付けなければならないと思う。来年も努力を忘れずに労作展に真剣に取り組みたい。