労作展

2021年度 受賞作品

社会科

超高齢化社会に向けた「東京メトロベンチマップ」作製

1年H.K君

 労作展の作品は、 幼い頃からの僕の趣味である鉄道に関するものにしようと決めていた。 しかし、 いざテーマを考えようとしても何も思い浮かばない。 どうしよう…。 そんなとき、 普通部からの帰り道に電車の窓から外を見ていると、 駅のホームにあるベンチが目に飛び込んできた。 これだ!この時、 僕はひらめいた。 「東京メトロベンチマップ」 を作ろう!駅のホームにあるベンチの場所をわかりやすく示した図だ。 これからの超高齢化社会に向けてきっと必要になるはずだと思った。
 まず、 東京メトロ全百八十駅をすべてまわりベンチの種類や位置を実際に調査した。 いくら鉄道好きの僕でも、 朝から晩まで百八十駅のホームを端から端まで歩いて見て回るのはとても過酷。 連日三十五度を越える猛暑日の中、 体力勝負の毎日だった。 丸五日間かけてようやく現地調査を終えた。 そこで出てきた疑問点を東京メトロやベンチ製造元であるコトブキ株式会社に何度もメール取材。
 その後、 ベンチマップの元となる配置図作りを開始した。 慣れない Excel を使い、 ホーム図にベンチの位置を貼り付けるという地道で膨大な作業は苦行にすら思えた。 ひたすらパソコンに向かう中、 ベンチの混み具合を色分けで表すことを思いついた。 我ながらいい考えだと思ったが、 父に 「利用者数は時間帯によって異なるから一概には言えないんじゃない?」 と言われ、 あえなく断念。 より良い作品を作ろうと、 寝ても覚めてもそればかり考え続けた。
 ようやく、 この研究の柱である 「ベンチマップ」 作製のスタートラインに立った時には、 タイムリミットまで二週間。 とても焦った。 離れた場所からでも見やすいようにベンチのアイコンをどうするかが悩みどころだった。 アプリで作る方法や、 パソコンの既存データからの引用などいろいろやってみたが上手くいかず、 最終的にはインターネットにあるフリーアイコンを組み合わせて作った。 ここからは時間との戦いだ。 寝る間を惜しんで作業に没頭した。 路線ごとのテーマカラーで周りを囲み、 印刷したものにラミネート加工を施すなど、 工夫を凝らし仕上げた。
 考察では、 一駅当たりの座席数の平均を路線ごとに算出し、 全九路線分比較した。 これはスムーズに出来たが、 百八十駅のランキング作りでは時間を要した。 ひとつひとつ値が高い順に入れ替えるのは時間がかかり過ぎてしまう…。 並べ替え機能を使ってみたが上手くいかず。 日をまたいでようやく出来た。 完全に作品が完成したのは、 提出日目前だった。 ギリギリ間に合ってホッとした。
 労作展当日。 たまたま同じ電車に乗り合わせた友達から、 「賞とってたよ。 おめでとう。」 と言われた。 その場では実感が湧かなかったが、 実際に教室に入って確認すると僕の作品に賞の札が貼られていた。 それを見て本当に自分の作品が賞に選ばれたのだと実感し嬉しさがこみ上げてきた。 遠い存在だと思っていたメダルと賞状を受け取った時には手が震えた。 努力した甲斐があったなと思った。 と同時に、 来年は何の研究をすればよいかとプレッシャーも感じた。 今年の労作展が終わって、 既に僕は来年のテーマについて頭を悩ませている。 今の僕が持つすべての力を出し切った今年の作品。 それを越える次の作品…楽しみでもあり不安でもあるが、 今年の経験を生かし、 来年も再来年も懸命に取り組んで結果を残したいと思う。
 最後に、 アドバイスをしてくださった藤森先生、 多岐にわたりご協力くださった各会社の皆様に改めてお礼を言いたい。 本当にありがとうございました。