労作展

2021年度 受賞作品

書道科

草書にチャレンジ!〜十七帖・遊目帖〜

3年T.R君

 二〇二一年春、 僕は書道用具店で紙を選び、 昨年の労作展のことを思い出していた。 異例続きの労作展、 そして今年はどうだろうか、 と。
 一年生、 二年生の時の労作展で、 僕は書道科の作品を出していた。 それは、 僕が筆で字を書くことが好きで、 労作展では好きな物に没頭したいと考えたからだ。 そして今年もその思いは変わらず、 迷いなく書道科を選んでいた。 今回、 二年生の時よりもパワーアップした作品に仕上げるために、 半切の紙ではなく、 「二×八尺」 というサイズの紙に書くことにした。 一尺が約三十センチメートルだから、 縦が二メートル半近い長さということになる。 そして今回その紙で二枚の作品を仕上げることにした。 とても大変そうだったが、 完成品を想像すると、 とても楽しみだったのを覚えている。
 まず、 印の制作をした。 石に字を彫ってゆく。 一昨年、 昨年に比べ少し大きな石にしたので、 彫る面積も広めで、 とても疲れた。 あと、 鉄筆という彫るための物の持ち手がかなり硬くて痛かった。 でも、 完成品で押してみると想像以上に上出来でうれしかった。 何回も押してしまった。
 そして遂に筆を握る時がやってきた。 まず、 半紙で練習し、 それから二×八尺に移る。 二×八尺の練習時に字形の事を気にしたくないので、 半紙練習を徹底的に行った。 というのは、 今回、 「草書」 という字体に挑戦したのだが、 これは行事よりも更に簡略化したもので、 字の形だけでなく、 全体のバランスまで難しいのだ。 最初は、 草書にした事を後悔する位難しかったが、 少しずつ形になっているのが分かるととても楽しかった。 半紙練習に満足がいったら、 次は遂に二×八尺で練習を開始した。 やはり、 半紙で練習しているのとは訳が違い、 難しかった。 縦のサイズがとても長いため、 字がつまってしまい易いからだ。 それに加え、 一枚書くのにたくさんの時間を要するので、 肉体的、 精神的にも大変だった。 しかし、 これも段々と上達してゆき、 本番の時がやってくる。 今までに無い緊張感とともにひたすら字を書いてゆく。 そして、 最後の一枚が完成! 後悔の無い作品ができて、 ホッと一安心達成感の波がどっと押し寄せて来た。
 労作展当日。 自分の教室に到着し、 自分の制作日誌に目をやった。 すると銀色の紙に 「賞」 の文字が。 心の中で僕は盛大にガッツポーズをした。 実は、 一、 二年生の時に、 賞を取っていて、 メダルを三つ集めることを大きな目標としていた僕は、 その念願が叶い、 全てが報われたような気がしてとても嬉しかった。
 この様な経験は、 自分だけの力では絶対に出来なかったと思う。 様々なアドバイスを下さった浦口先生、 家の真ん中に大きな紙を広げて書くのに協力、 サポートしてくれた家族、 そしてこの労作展という舞台が無ければ、 本気で何かに打ち込む夏が経験できず、 三つの力作を作り上げた達成感を味わうことはできなかった。 本当に感謝したい。
 これからも、 三つのメダルを見て、 この達成感を思い出すだろう。