労作展

2021年度 受賞作品

書道科

最も有名な作品の一つ、「蘭亭叙」に挑戦!

3年M.K君

 労作展がどんどん近づいてくる。 今回は自分にとって最後の労作展。 悔いのないようにやろう、 そう心に言い聞かせて春休みから早速練習を始めた。
 別にやることが少ないわけでもないし、 他にやることだってたくさんあった。 最近筆を持っていなかったので、 まずは慣らすところから始めた。 『枯樹賦』 という作品に決め、 練習に励んだ。 ただ、 何度書いてもうまくいかない。 まだ書き慣れていないだけだろう、 そう思っていたが、 何時間練習しても一度たりともうまく書けない。
「僕には書道の才能がないんだ。」
一気に労作展へのやる気を失い、 労作展というものを頭から消していた。
 ある日、 本屋でぼーっと色々な本を眺めていると、 ふと一冊の本が目に留まった。 「蘭亭叙」 について書かれた漫画だった。
(蘭亭叙か、 なんか聞いたことあるな。)
暇つぶし半分に本を開いてみた。 案外、 中には興味深い事がいくつも書かれており、 気づけば本を隅から隅まで読んでいた。
(今までは、 書をただ書かれたものとしか思っていなかったけれど、 こんなにも奥が深かったんだ。 これなら書きたい。)
ここから、 毎日特訓が始まった。 「蘭亭叙」 は行書であり、 今までほとんど行書をやった事がなかった僕は人一倍練習して、 初めてとは思わせない作品を作ろう、 そう決心した。
 書道だけに時間を使えるわけでもないし、 毎日毎日長い時間書道と向き合うというのは苦痛でもあった。 行書の書き方も詳しく知らず、 教わった先生に
「楷書みたいにかたく、 行書らしくない。」
と何回注意されたか覚えていない。 それでも、 今回が僕にとって最後の労作展であり、 書道制作の集大成でもあったので、 悔いのないようにやり切りたい、 そんな思いから毎日欠かさず筆を持った。
 毎日頑張ってきたからか、 一ヶ月でもだいぶ成果が出てきて、 半切でも書くようになった。 先生にもだんだん褒められる回数が増え、 何より自分自身で上達したことがはっきりと感じることができたので、 これが最高のモチベーションとなった。
 ただ、 これだけでは終わらない。 自分自身の技術力が高まるにつれ、 逆に失敗点も多く見つかり、 先生からの要求も以前に比べて大変になってきた。 上達するのはもちろん嬉しいのだが、 一方で、 より大変にもなってきた。 毎日継続することがこれほど大変なのだと、 実感した。 正直、 何度も書道をやめたいとまで思った。 それでも苦難を乗り越えて頑張ってこられたのは、 厳しくも、 いつも応援してくれる先生や両親がいたからだ。
 ようやく作品が完成し、 表装をしてもらった。 それを家で飾って眺めた時には、 ついにやり切ったのだと、 大きな達成感を感じた。
 労作展当日、 ちゃんと賞をとれているか不安になりながらも、 三Cの教室に足を運んだ。
「賞だ! 今まで頑張ってきて本当によかった!」
その後、 自分は気付いていなかったが、 特別展示に選ばれていることを聞き、 この上ない喜びを感じた。 思わず、 飛び跳ねてしまいそうだった。
 僕は、 二年の時に賞を取ることができず、 とても悔やしかった。 その悔しさを、 自分の思いを、 作品にぶつけた結果、 こうして最後に笑って終わることができた。 今回の経験は、 今後書道のみならず、 他の分野にも生かしていきたい。