2023年度 目路はるか教室

3Aコース

「未来に羽ばたく後輩達に期待」

筑波大学 計算科学研究センター センター長・教授

朴 泰祐 氏 (ボク タイスケ)

 今回、目路はるか教室講師を担当させて頂き、何よりも自分が一番楽しんだのではないかと思います。内容について悩んだ結果、前半は普通部そして慶應義塾という環境に育って何を培い、何が人生の役に立ったかという経験を話し、後半では自分の専門であるスーパーコンピュータの仕組みや現状、世界における日本の立ち位置について解説することにしました。講義中、学生たちの姿を見て、自分の普通部時代を懐かしく思い出しました。
 参加してくれた学生たちの感想も読みましたが、前半部分に興味を持ってくれた学生がかなり多かったことが嬉しかったです。彼らに伝えたかったことは以下の3つでした。
 「1.慶應義塾という進学システムは世界にも類を見ないもので、青春の貴重な時間を受験勉強に費やさずに済むのだから、漫然と時間を過ごしたり遊ぶのではなく、何が自分にできるのかを見つけそれに打ち込むこと。」「2.何かの才能(勉強とは限らない)があり、それが世の中の役に立つのであれば、それを活かすことは権利であり、また才能を持つものの義務でもある。能力を社会でどうやって活かすのかを見つけよう。」「3.切磋琢磨できる仲間を見つけることは大事で、同じ目線で議論したり遊んだりできる仲間を見つけ(僕は幸いこれに恵まれました)、自分の力を延ばすことに活かすこと。慶應義塾にはそのチャンスが大いにある。」
 普通部での労作展、塾高での部活、大学での進路の決定、研究室での研究から就職、そして現在の仕事が国内外で認められるところに来るまで、自分としては一本の道をまっしぐらに進んできたと思っていますが、その過程で慶應義塾という環境の中にいたというのは本当に幸運だったと思っています。単なる成功体験としてだけでなく、人生の歩み方の一例として、少しでも後輩の皆さんの参考になれば先輩としてこれに勝る喜びはありません。未来を創る後輩たちに期待します。

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