2023年度 目路はるか教室

2Cコース

留学のすすめ:  「鉄道 × 留学」

鉄道機器株式会社 代表取締役社長

吉田 晃 氏 (ヨシダ アキラ)

 この度、濱野先輩から「目路はるか教室」の講師のご依頼を頂き、大変名誉なこととお引き受けをしましたが、自分がお話しできることといえば2度の「留学」のことと現在、仕事として携わる「鉄道」のことであり、果たして関心を持って頂けるか不安でした。今回お世話になりました志村先生から、事前に最近の普通部のお話をお聞かせ頂き、またご丁寧に、懐かしくも新しい校舎内をご案内頂き、勉強中の普通部の皆さんの様子を拝見させて頂きました。幸い、24名の2年生が参加をしてくれることとなり、「留学」「鉄道」に関心がありとの自己紹介文も頂き、しっかり準備しなければと思い、緊張して講義の当日を迎えました。
 本来は当社が作る実物の分岐器を富山県にある工場でご案内したかったのですが、遠方のため、港区郷土歴史館の「高輪築堤」や福澤先生の洋行などの展示視察で代えさせて頂きました。その後の講義では、幕末に黒船来航を受けた長州の若者が英国に密留学し持ち帰った技術で日本初の鉄道建設がなされた事、また、今、縁あって鉄道関連の産業に携わる自分が高校時代、そして社会人になって、なぜ留学しようと思ったか、留学してみたら実際はどうだったか、その後の自分の人生にどの様な意味があったのか、そして今、インドへの新幹線輸出に携わっていること、など個人的な体験をお話しさせて頂きました。水野先輩から「君の生き様をしっかり話すように」との貴重なアドバイスを頂き、当時やその後、考えた事、悩んだ事を思い出し、なるべく、包み隠さず、お話しする様に努めました。生徒の皆さんを引率頂いた藤森先生が適切なご指示を頂いたお陰様で普通部生の皆さんも1時間の展示視察と2時間の講義を熱心に聞いて頂き、ホッとした次第です。
 当日の質疑、そして後日頂いた感想文から、自分がお伝えしたかった「日本を出てみよう!」「変化を楽しもう!」というメッセージをしっかり受け止めて下さった普通部生の皆さんに感銘を受け、普通部生が格段に進歩していることを実感しました。また、普通部生の皆さんにお話しするための準備を通じて、改めて普通部に、そして慶應義塾に育てられた自らについて気づくことが多々ありました。この度はとても貴重な機会を頂き、本当に有難うございました。

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