2023年度 目路はるか教室

1Dコース

「好きなものを追求し、反骨精神をもって挑戦」

東京大学 理学系研究科物理学専攻 助教

茅 元司 氏 (カヤ モトシ)

 目路はるか教室では、何を話そう…と悩んでいた頃、普通部から郵送されてきた生徒たちの自己紹介文が届きました。この自己紹介文を読み通した上で、今回の話の構成を以下のように決めました。1)研究者になった経緯、2)研究対象である筋肉の面白さ、3)タンパク質1分子をみるための原理と顕微鏡技術、4)分子からトップアスリートの研究、5)普通部生がなぜ無限の可能性を秘めているのか。
 当日、彼らと東大正門前で集合し、教室へと移動する途中で、安田講堂前で記念撮影、続いてローソンと東大のロゴが一緒になっている東大ローソンの脇を通って、東大物理教授二人が受賞したノーベル賞の展示を見てもらい、教室へと入りました。講義を始めると、私が話すことに頷きながら熱心にノートをとり、さらに手を挙げて質問してくれるため、私自身も熱が入り過ぎて、話終えたときには1時間半を過ぎていました。生徒たちを2つのグループにわけ、1つのグループは実験室2ヶ所を周る30分のラボツアー、もう一方のグループはお菓子を食べながら休憩してもらい、その後、グループを入れ替えてもう一回実施しました。ラボツアーでは、10億分の1メートルの世界が見える最先端の顕微鏡を実体験したもらい、生徒たちが驚いている様子が印象的でした。最後に、私が東大の学生や研究者と接する中で感じる、普通部生の可能性について話をしました。私が伝えたいことは、普通部には、文部科学省指定の枠を超えて先生方が良いと思うものを学べる環境があり、これは生徒たちの将来の可能性を広げること、また自分の好きなことに没頭できる機会があることです。時には、先生や監督、コーチに怒られても、反骨精神を持って挑戦し続けて欲しいと伝えました。慶應の学生は、叩いても伸びようとする粘り強さがあり、将来の社会で活躍する礎になると伝えました。今回は貴重な機会を与えて頂き、教員及び委員の皆様に感謝いたします。

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