労作展

2020年度 受賞作品

書道科

「ゴールからスタートへ」

3年K.S.君

 僕にとっていつもと違う、 そして最後の労作展を迎えようとしていた。
 今回、 新型コロナウイルスの影響により、 3月末から6月頃まで学校が休みとなった。 なのでいつもの夏休みより長期間に渡って労作展に取り組むことができた。 一年生、 二年生の時は賞を取ることが出来ず悔しい思いをしたため、 普通部で最高学年となった今年こそは取らなければと自分に言い聞かせていた。 そこで、 4月から早速作業に取りかかる。 まずは、 今までやってきた中で一番時間がかかるであろう雅印という判子づくりからはじめた。 石を0から彫らなければならないため、 労力と時間をとても使ってしまう。 更に、 雅印には、 陽刻と陰刻の2種類制作しなければならない。 本来であればこのような時は半紙で文字の練習をするのが書道の労作展だと思うが、 どれだけ時間をかけ、 どれだけ大変な思いをして臨んだのかという過程が重視されるこの労作展なので、 毎日全力を尽くすことが必要だと思う。 そして自粛期間が終わり学校生活がはじまる頃には雅印が完成していた。 それからは、 毎日毎日ひたすら半紙での練習を繰り返していく日々がつづいた。 それでも学校のテストがあっても怠らず、 やりたくない日でも自分を奮いたたせて少しずつでもやりつづけ、 気がつけば夏休みになろうとしていた。 そして夏休み本番、 半紙での練習もつづけながら半切の練習にも励んだ。 しかし、 書道の労作展は、 他の科目の労作展に比べて明らかに違うところがある。 それは、 8月中に清書を完成させなければならないというところだ。 書道の作品を展示する場合、 裏打ちといって作品を掛軸にする時に必要なもので、 それを業者さんに注文する場合最低でも約2週間ほどかかってしまうので早めに仕上げなければ間に合わなくなってしまうということが起こり得る。 そのためある程度余裕をもって作業を進めなければならない。 更に今年は新型コロナウイルスの影響も考え、 今まで以上に早くやらなければならなかった。 だが清書もしっかり間に合い提出することができた。
 そして労作展初日の朝、 いつも以上に足取りが重かったが、 恐る恐る三年A組の教室に入っていった。 すぐに自分の作品を見にいった訳ではなく、 一度自分の気持ちを落ちつかせてから作品の方へ向かった。 そして、 制作日誌にくっついている 「賞」 と書いた銀の紙を見て、 半分泣きながら思った。
「ついにやったぞ! 一、 二年生の時の思いがつながって本当によかった!」
と。 実は2年生で書道の労作展をやった時に賞がとれなかった。 この時自分では3年生は書道以外の労作展にしようと考えていた。 しかし、 書道で賞がとれなかった思い出、 夏休み毎日やって感じたことを思い出し、 もう一度書道の労作展に挑戦し、 三年生でいままでの集大成として出しきってやると心に決めた。 そして自分の思いを作品にぶつけた結果、 このいままでで一番重たい賞がとれて本当によかったと思っている。 でもこれで自分の書道人生が終わった訳ではなく、 高校生になったらまた新しい calligraphy life が待っている。 それに向けて全力で書道をがんばろうと心に決めた。