労作展

2020年度 受賞作品

理科

労作展とプラナリア

3年I.I.君

 小学校四年生のとき、 僕はプランクトンを採集するために、 水槽の中でプランクトンネットをかき回していた。 そして、 その中身をシャーレに移して観察したとき、 僕はシャーレの底をすべるようにして動く矢印みたいな形をした生き物を見つけた。 先生から、
「その生き物はプラナリアという名前で、 体を半分に切られても再生して二匹になりますよ。」
と教わった。 これが僕にとって、 初めてのプラナリアとの出会いだ。 それ以降、 僕はプラナリアという生物に魅了され続けている。
 その次の年、 僕はプラナリアの生態について調べたあと、 生息地を探した。 見つけた場所は、 家の近くの湧水だけ。 それでも、 ものすごく嬉しかった。 また、 これと同じ頃に、 初めて労作展に行って多くの作品を見た。 その中には、 プラナリアについて研究しているものもあった。 それを読んで、 いつか自分もその中に入って、 プラナリアについて調べたいと思った。
 普通部に入学できたあと、 あっという間に時が過ぎ、 労作展に取りかかる時期になった。 僕は、 プラナリアの再生について調べた。 途中、 プラナリアがたくさん死んでしまったり、 再生が思い通りにいかなかったりと、 予想外のことも多くおきた。 それでも、 この研究を続けて完成させることができた。 二年生の労作展では植物の抗菌物質について研究した。
 二年生の労作展が終わったあと、 「次の労作展が、 プラナリアについて研究できる最後のチャンスかもしれない。」 と思い、 東京や千葉県の湧水を巡ってプラナリアの生息地を探した。 その結果、 十五ヶ所以上でプラナリア (ナミウズムシ) を採集することができた。
 二年生の三学期より始まった休校の間、 他の学校の生物部が行ったプラナリアの研究を見たり、 プラナリアに関する本を読んだりしながら、 僕は自分自身に 「自分はプラナリアの何が知りたい、 おもしろいと思っているんだ。」 と問い続けていた。 そうしてでてきたものが 「プラナリアの行動」 だった。 プラナリアをずーっと見ていると、 プラナリアが色々な動きをしていることがわかる。 例えば、 まっすぐ進む、 左に頭を振る、 頭を持ち上げるなどがある。 また、 光から逃げる性質もある。 そこで、 僕はプラナリアの行動について色々な実験を試しに行った。
 そして、 最終的に三年生の労作展のテーマは 「石の裏に隠れる行動」 に決めた。 このテーマにした理由は、 野外でプラナリアを採集すると石の裏についているメカニズムを知りたいからだ。 まず、 この行動には二つのステップがあると考え、 ステップ一とステップ二、 それぞれについて比較実験を行った。 そして、 二つとも正しいと考えられる結果を得た。 次に、 ステップ一・二が共に正しいならば結果はこうなる、 といった考え方で実験した。 しかし、 予想通りの結果は得られなかったため、 それ以降の実験では、 二回目に行った実験結果が偶然か偶然ではないか、 について調べた。 結論は、 ステップ一・二以外にも別のメカニズムがあると考えられた。
 最後に、 僕はプラナリアに出会って、 労作展で調べることができて嬉しい。 プラナリアは色々な生物学のジャンルからアプローチされており、 それぞれの世界が奥深そうだ。 また、 僕は労作展を通して、 知識だけではなく、 上手にいかなくても諦めずに色々な方法を模索する体験を得られた。 このような労作展と御指導して下さった先生方に感謝します。