労作展

2020年度労作展 受賞作品

保健体育科

走り出す

1年T.K.君

  「きつくて、 シンプルで、 面白味がないなー」 と、 ランニングというスポーツは言われがちだ。 しかし、 シンプルだからこそ、 どのように練習すれば成果がでるか分かりやすく、 それにより出た成果がタイムとなって出てくるため、 目標を持って競技に臨み、 結果が出たら嬉しい思いになれる。 このように、 苦しい競技中の裏には、 目標に向かう楽しさが隠れている。 でも、 確かに競技中は孤独で辛い。 しかし、 なぜ疲労困憊するほどのきつい競技だとしても、 やる人がいるのか? それは、 たとえ良い結果ではなくても、 全力を出し切ることで爽快感を感じられ、 力を振り絞ったからこその感動がゴールに待っているからである。 またこれが、 このスポーツの一番の魅力だと思う。 そして僕は、 このランニングに魅力を感じたことで、 より良い走り方や練習の仕方を知りたいと思い、 経験者ではないものの、 労作展で研究することにした。
 このような経緯で、 僕はランニングについて研究することにし、 六月の初めから研究を開始した。 しかし、 研究といっても、 走り方などについての知識がないと検証はできない。 なので僕は、 急いで走り方などについての知識を勉強した。 しかし、 参考にできるような本を探したものの、 あまりいい本が見つからず、 ネットでの参考文献が多くなってしまい、 専門の人の話をうかがうこともできなかった。 それでも、 多くの知識を得て、 その上で検証をした。 そこでは、 検証で大事な条件合わせで苦戦し、 歩数、 歩幅、 気象条件、 など、 制御のしにくい条件も多かった。 また、 走った結果を数値化するために、 心拍数を測ったりした。 しかし、 そうやって修正を繰り返す内に、 実験をする時間がなくなり、 実験できた項目が少なくなり、 同じ条件で何度も実験するというような、 より精密な実験もできなかった。 しかし、 数値化しづらい、 運動の検証結果を数値化したことで、 どのように走ればいいのか?どのように練習すればいいのか?の、 結論を出すことができた。 そして、 より良いランニングの仕方の結論を出すと共に、 運動不足を改善をしたい人や、 他のスポーツのためのトレーニングがしたい人についてのランニングの仕方なども書き加え、 ランニングの魅力を伝えられたので、 初めての労作展としては満足できた。
 そして迎えた労作展当日、 「賞」 という札が貼ってあった。 クラス内に賞の作品が多かったため、 最初は 「あっ」 という感じだったが、 労作展すごいなーと思いながら受験勉強に励んでいた頃のことを思うと、 普通部に入り、 労作展で賞を取れたことは、 とても嬉しく、 信じられないことだった。 また、 今こうして手にシャーペンをとり、 普通部会誌の一部を書かせてもらっていることも、 本当に光栄で、 信じられない。 しかし、 まだ労作展は、 後二回あり、 反省点もたくさんあった。 だからこそ、 また、 自分も相手も楽しく、 そして役に立つような、 そんな作品を作るために、 走り出したいと思う。