労作展

2016年度 受賞作品

保健体育科

負けないフェンシング~フェンシングの分析~ / 労作展を通じて

2年R. M.君

 ある有名なフェンシング指導者が言っていた。「フェンシングには魅力では無く、魔力がある」と。フェンシングをやったことがある人にしか分からない言葉だ。
 フェンシングで最もうれしいことはトゥッシュ(突き)が決まった瞬間だ。沢山のトゥッシュが決まり、試会に勝った時は最高にうれしい。
 小学校時代には当時のコーチには様々な技を教わった。小学生にしては高度な技も沢山教わった。そして、その技が試合で成功したときは最高にうれしかった。そのコーチは言っていた。「小学校ではフェンシングを好きになって欲しい。フォームの基礎練習や体力作りはフェンシングが好きになった後、中学校でやれば良い」と。小学校時代はそのコーチのお陰でフェンシングが大好きになった。
 中学生になり、現在の監督に代わった。そして練習内容も大幅に変わった。小学校時代のコーチが話していた通り、フォームの基礎練習、体の基本的な使い方の練習がとても増えた。中学校入学直後に監督からは「目先の勝ちにこだわるフェンシングを目指すのではない、高校、大学になった時に強くなれるフェンシングを目指す。中学では基礎をしっかりとこなし、将来の伸びしろを十分に作る」と言われた。
 けれど、ぼくは正直疲れることや、面倒なことが嫌いだ。当然、フォーム作りの基礎練もあまり好きじゃない。しかしフェンシングが大好きなので、一年生は我慢してコツコツと練習を続けた。その結果今年の全国中学フェンシング選手権大会で入賞し、念願の中学生の日本代表に選ばれた。そこでぼくは、ようやく全国の強豪達と戦う土俵に立てたと感じている。これからは、今までより、もっと強い相手と戦うことになると思う。そして、その強豪達にも勝利していけるようにしたい。
 勝利する為には、この一年半で自分の何が成長したのかを分析し、もう一段高いレベルの戦いで勝利する為に、何を試すべきかを知る必要があると思った。そして考えぬいた結果、自分のフェンシングの試合の定量分析を行うことにした。
 研究の方法については、小学校時代のコーチや監督など沢山の人の意見を聞いた。定量分析の為に、様々な分析の要素を考え、色々な組み合わせでの比較分析を試行錯誤した。そして最終的には、中学以降の自分のフェンシングで大きな違いを見つけることができた。
 それは、フェンシングの基本である、上体の安定性、正確な突きといった「基本動作の完成度」が大切な「アタック」での得点が増えたということだった。中学入学以降、嫌々ながらも、一番力を入れてきた基礎練習のおかげで、自分のフェンシングが小学校時代のものとは、全く違うということが定量分析で証明された。
 今でも基礎練習や、体の使い方、といった、正直退屈な練習は嫌いだ。でも、その意味を理解することはできた。そして何より「勝利する為に必要なこと」を自分の経験を通して理解できたことが最高の成果だと思った。