労作展

2018年度労作展 受賞作品

保健体育科

最後の労作展

3年S.F.君

 僕は、労作展での大きなテーマを「ラグビー」と決めている。僕の普通部生活の中で時間的にも気持ちもラグビーに占める割合は非常に大きいと思い、これは労作展で取り組むテーマだと一年生の時に決めた。その一年生の時は、「聖地花園ラグビー場」の建築模型製作に挑戦した。二年生の時には、「赤黒ジャージの勝利に向けて」と題した僕達の一年間の試合分析に取り組んだ。このラグビー分析の作品が思いがけず初めて「賞」を頂けた。とても苦労したので嬉しかった。

 講評の帰り道、担当のN先生から

「おめでとう! 来年もこの分析を続けるといいよ。東日本で優勝するためにも絶対役立つから頑張って。」

と言っていただいた。

「え、東日本だって。それは最大の目標ではないか。やらないわけにはいかない。」

と思った。こうして、一年前という早い段階で課題が決まり、取り組んでいくことにした。

 二〇一七年十一月二三日、新チームでの初試合、神奈川県新人大会だ。この試合から試合後にビデオを見返して、必ず去年の分析で使った二十一項目のデータをカウントして記録をとっておくことにした。このデータ取りは非常に時間がかかり、一試合のデータをとるのに何十回とビデオを回して数を地道に数えていかなければならない。夏休みまでの公式戦、定期戦、交流戦の全三四試合のデータを揃えて夏休みを迎えた。

 僕は昨年、分析の焦点を「自分達」にあてて分析した。そのため、自分達はコミュニケーションという大きな問題を軸に反則の多さやラックで負ける事、相手からのプレッシャーがある中でのパスミスと多くの課題を見いだせた。それと同時に、失点が少ないことやパスやキックのスキルなど多くの得意とする点も見つかった。この甲斐あってか、神奈川県新人戦では優勝することが出来た。しかし、春からなかなか結果が出なくなり、負ける試合も多くなってきた。さらに、神奈川県春季大会では初めて桐蔭に負けた。とても悔しい敗戦だったが、目標は「東日本」と気持ちを切り替えて夏の練習をスタートさせた。

 労作展での課題については、それまでの三四試合のビデオを見返しながら、どういう分析をすればいいか考えつつ夏を過ごしていた。

 中学ラグビーではチームによって体の大きさや足の速さも違うため、その分戦術もチームによって随分異なる。だからこそ、普通部ラグビー部の強みをデータで証明し、ゲームプランを立てようと分析しているのであるが、東日本を獲るためには対戦相手によって戦い方を変えることも必要だ。そこで、東日本大会で対戦の可能性のある学校の学校別分析を今年の分析には入れていくことにした。

 対戦相手学校別の傾向を掴み、対策を考える分析をしたのは四校。それぞれの特色が数字で出てきて、実際にプレーしているイメージと違うこともありとても面白い結果が得られた。分析した自分達の強みを生かしつつ、どのような戦い方をすればいいのか分かってきた。

 「東日本を獲るために」と題した今年の労作展で、二年連続で賞を頂けとても嬉しくおもっているが、この分析を生かして東日本を獲ってもう一度もっと喜びたいと思っている。