2020年度 目路はるか教室
2Hコース
スポーツを伝えるということ
1990(平成2)年卒業株式会社 TBSテレビ スポーツ番組制作部プロデューサー
村口 太郎 氏(むらぐち たろう)
この度、第23回 目路はるか教室2年Hコースを担当させていただきました。
事前にこのコースを選んでくれた、普通部生の自己紹介文を拝見しました。
「スポーツ中継に興味があります」「仕事のやりがいについて聞きたい」といったオーソドックスなものから、「プロデューサーとはどのようなものか正体が知りたい」「我が家のテレビが壊れました。テレビがいかに作られるかが知りたい」と言った不思議な質問まで。
テレビ本体を作っている人ではないのだが…と思いながら、個性豊かな普通部生たちに会うのが楽しみになりました。
11月7日、東京・赤坂のTBSテレビ 正面ロビー。だれひとり遅刻することなく集合。
もっとワイワイ大騒ぎかと思ったら、きちんと静かに集合していました。さすがです。
今回は主に4つのプログラムを用意しました。
1.「プロ野球中継」スイッチング体験
横浜スタジアムに配置された6台のカメラ。同時に進行する6つの映像を自分で選択し、中継映像を制作。投手の顔を選択する人。監督を選択する人。打者を選択する人。
ひとりひとりが違うプログラムになる面白さを体験してもらいました。
みんなセンスあるなあ。
最後は土井先生も初体験。見事なスイッチングでした。
2.サブと呼ばれる「副調整室」の見学
スタジオとつながっていて映像や音声を実際に作り上げる、指令基地。
今回は生放送中の「王様のブランチ」のサブにお邪魔しました。
映像を選び、音楽を流し、テロップを入れ、CMを送出したりします。
チーフディレクターがテキパキと指示を出し、生放送は進行していきます。
普通部生は生放送の緊張感に驚いたようでした。
後日届いた感想文、「大勢のスタッフがいて驚きましたが。中には暇そうな人もいました。」教えてくれてありがとう。
3.アナウンサーとの台本読み
幼稚舎出身の近藤夏子アナウンサーにもお手伝いいただき、一緒に台本読みを体験。
初めてのアナウンサーとの交流。このブロックの普通部生たちが一番生き生きとしていました。
4.講話、質疑応答
最後に自分の体験談をもとに少しお話をさせていただきました。
<大事にしていること><好きなこと><感じたこと>、が視聴者に伝わったときは本当に嬉しい。それがテレビマンが番組を作るモチベーションです。
自分はこれまで「スポーツ中継」「スポーツニュース」「スポーツバラエティ」「スポーツドキュメンタリー」など様々なスポーツ番組を制作してきました。
ジャンルは違えど伝えたいことはいつも同じです。それは「アスリートの凄さ」です。
例えば100m日本記録の選手。どう凄さを伝えるか。その手法は無限にあります。ライブで見せる。記録を紹介する。芸能人とハンデマッチをする。日々の努力に密着するなどなど
大事なことは視聴者と共感できる「伝えたいこと」を見つけられるか。
何かを人に伝えるということは、どんな仕事についても必要なこと。
自分の思いを人に伝えるのは難しいけど、伝わった時は嬉しいよ。
そんな話や、好きなことが仕事になると楽しいぞ!とか
YouTubeもいいけど、テレビも忘れずに。なんて話もさせていただきました。
あっという間の2時間半でした。
今回の目路はるか教室を通じ、私も自分の仕事について、改めて振りかえる良い機会となりました。同時にうっかり普通部時代のことも思い出してしまい、「もっと勉強をしておけばよかった」と後悔もさせていただきました。
今回は全員がマスク着用で、表情が読み取りにくいのが残念でしたが、きっとみんないい表情をしていたことでしょう。
ぜひコロナウイルスが落ち着いた際にはマスクなしで、また遊びに来てください。
そしてみんなが大学生や社会人になった時にまた色々話をしてみたいです。
何でも相談に乗りますよ。
改めて、普通部の関係者の皆様、今回は貴重な機会を与えていただき、本当にありがとうございました。