2019年度 目路はるか教室

3Cコース

人生における必ずある転機にどう対応するか

昭和52(1977)年卒業芝浦シヤリング 株式会社

大川 伸幸 氏(おおかわ のぶゆき)

 この度は、第22回目路はるか教室の講師という大役の機会を頂き、誠にありがとうございました。数年前より、竹内明代表世話人からお話を頂きながら、中々日程が合わず叶いませんでしたが、今年実現出来て良かったと思っています。そして今、無事に終える事が出来ほっとしています。

 正直、中学生である普通部生が興味を持つような話など持ち合わせておりませんので、一体何を話せば良いのか、例え何か話せても上手く取り纏められるか等と色々考えました。

 結果、自らの人生を振り返り、何度もあった転機をどの様に対応をし、そしてその結果がどの様に展開していったのかという話をさせて頂く事に致しました。

 誕生から今日までの58年間の経歴をたどり、その中で起きてきたことの内、8回も大きな転機があり、その時に自分自身がどう考え、そしてどの道を選び、どの様な結果となり現在に至っているのかを一つひとつの事例と共に説明させて頂きました。

 中には、今が転機と気づかずに過ごしてしまっていた事、後で振り返ってみて、あの時が転機だったと思った事もありました。

 大きな選択をしなければならない場合、多くの準備が必要です。多くの準備の為には、いつも考えておく必要があります。数種類の選択肢を準備しておかねばならないからです。そして、それもただ考えるのではなく、Goodケースから、Badケースまで。つまり最高の結果から最悪の結果までを想定し考えておければ良いのではないでしょうか。私は自らの選択の場面では、少なくともGoodからBadまで、5つくらいの選択肢を常に持っていたと思います。自分ではどうしようもない事、言わば不可抗力によって思いが叶わないといった事にも対応する為です。これによりどの様な方向に向かおうとも、概ねベストの対応が出来たと思っています。自己紹介文によれば、今回の参加者の多くには未だ転機を迎えていない人もおられました。しかし転機は必ず来ます。常に順風満帆、雲一つなしという人生なんてありえません。ですので、来るべき転機に備えて準備しておきましょう。その為の心構えを持っていましょう。選択肢を多く、いっぱい考えましょう。そうすれば、おのずと人生は開ける、希望に近い人生を送っていく事が出来るのではないでしょうか。

 講演の冒頭部には会社の紹介をし、鋼材を扱う我が社の業務内容について説明をしました。弊社は大手製鉄メーカーから鋼材を仕入れ、最終のお客様である建設機械メーカーや産業機械メーカー、土木、建築鋼材メーカーなどに、鋼板加工品を納めております。

 サプライヤーとしての務め、Quality、Cost、Deliveryでお客様のご満足を頂く事はあたりまえ。100点とってスタートラインに着けるという話。そして、昨今は、例え中小企業といえどもSafety、Complianceの2つも満たしていなければならないという話をしました。

 最後に普通部生に望むこととして、①日本のリーダーとなる自覚を持つ事=慶應義塾で学ぶ人は選ばれた人、恵まれた人である。将来はリーダーとなる宿命である事を自覚する事。②謙虚である事=与えられた立場に奢らない。勘違いしない。これは今も将来も。③一つひとつを大切に=1:時間、2:友人、3:経験、それぞれをぼーとしないで大切に。④学び&リフレッシュ=勉強をする習慣を身に着けておく。運動をして体力をつける事と同じ。勉強をし続ける姿勢が大切、それが学ぶ力(勉強力)となる。ただ、それだけではいけない。ストレスを溜めないという事も忘れずに。その為には人と話をする事。親、友人、先輩、先生など身近な人に何でも話す発信力を持とう。

 最後は、発展を続ける品川駅周辺の歴史、変貌について話をしました。江戸時代、東海道最後の宿場であった品川宿。日本最初の鉄道も仮開通という形で品川、横浜間を走りました。そして、埋め立てを繰り返し、今や一日に40万人、新宿、池袋、東京、横浜に次ぐ5番目に利用客の多い駅になりました。2027年にはリニア中央新幹線が開業します。そんな品川の地で弊社は昭和7年から鋼材加工の仕事をしてきています。皆さんにはかつての弊社工場の跡地(今はビルとなっています)にお越し頂きました。

 今回の講演が、参加頂いた普通部生の将来起こるべき転機に少しでも活かされれば幸いです。普通部の皆さん、それぞれの幸せの為、そして日本の未来の為にも、頑張って下さい。

 

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