2018年度 目路はるか教室

3Aコース

外国人にYESと言わせるコツ グローバルビジネスの醍醐味

昭和44(1969)年卒業株式会社 ケースクエア 代表

宇佐美 公孝 氏(うえはら けん)

 『普通部の後輩に宇佐美のグローバル体験を話してみたら』とのお誘いを1年ほど前に昔の仲間である普通部同級生からうけ、私の40年に渡る海外ビジネス体験を話すことになりました。ソニー、デルコンピュータ、メルセデスベンツで仕事をした40年の内、20年が海外生活、残りの20年が日本での生活でしたが、仕事は海外におけるビジネス一筋でした。

 中学生を前に、如何に飽きさせずに、3時間の講義を行えば良いのか、大変悩みました。仕事柄、日本語と英語で少人数から大人数を前に話をさせて頂くことは多く経験しています。ただ中学生という大人と子供の間のローティーンネージャを相手に話した経験はほとんどありません。講義準備の半分はこのことに時間を割き、自分なりの工夫をした積りです。

 当日は普通部の教室をお借りしての講義になりました。3時間を2部構成にし、1部は普通部生に一人ずつ他人を紹介してもらう〝他己紹介〟という遊びの要素を入れた、自己紹介とそれに続き私の自己紹介に費やしました。休憩を挟んで2部では外国人とビジネスをするときのコツや、私の体験談、そして異文化の中に自分を投じることのワクワク感を私なりに伝え、最後にグループワークとして少人数に分かれてもらい、講義の中で最も印象に残った事2点をまとめ発表をしてもらいました。

 また気をつけたことは、話の途中で眠くならないように、質問をしたり、させたり、教室の机の配置を替え楕円状にし、生徒同士も顔が見え私とも自然に目を合わせられるようにいたしました。

 驚いた事は、23名の生徒の半数以上が海外旅行や海外で住んでいたという海外経験を持っていた事です。私が普通部生であった時には考えられなかった事で、50年で世の中が大きく変化している事に改めて気付かせていただきました。その為か私の話に対する生徒たちの反応が良く、私も楽しく話ができました。

 さて一番伝えたかった事は、日本という同質文化の殻の中に閉じこもっているのでなく、海外へ飛び出すことがどんなに楽しく、チャレンジングで、ワクワク体験が出来るか、を知ってもらうことでした。生徒たちからの講義後の感想文を拝見した限り、その目的は達成できたと思います。特に嬉しかったのは、私の話を聞いて外国人と(英語は下手でも)積極的にコミュニケーションをしたくなった事、そして将来海外で活躍をしてみたくなった事、を挙げてくれた生徒が多くいた事です。

 私は慶應高校とハワイのプナホウ高校の交換プログラムに参加し、数ヶ月アメリカの高校で学ぶ事ができました。これから高校へ進学する普通部生にも多感な高校時代に異文化実体験を通じ、グローバルな人間になってもらいたいです。私の講義を聞いた事がきっかけで、より多くの生徒が海外に飛び出していく事を期待しています。

 最後になりますが、私の講義の準備をして頂いた篠原先生、当日の講義に篠原先生と共に最後までお付き合いされた鈴木先生、講義後お話させて頂いた荒川部長、そして久しぶりにお会いした、私と同期で来年退任される大貫元部長、今回の機会を与えていただきありがとうございました。これからも目路はるか教室がますます会を重ね、より発展していくことを願っております。

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